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2011年3月27日 (日)

かなり“家族”の映画です『ザ・ファイター』

ザ・ファイター

M0000000640

(C)2010 RELATIVITY MEDIA. ALL RIGHTS RESERVED.

丸の内ピカデリーほか全国順次公開中


最初に言っておきますが、実在のボクサーの異兄弟、
ディッキー・エクランドとミッキー・ウォードを描いた
『ザ・ファイター』は、ボクシング映画ではありますが、
それだけじゃありません。

家族との関係の再構築と、ドラッグからの再生を描いた物語でもあるのです。

女性の鑑賞ももちろんOK。


兄のディッキーをクリスチャン・ベール、
弟のミッキーをマーク・ウォールバーグが演じています。
クリスチャン・ベールはアカデミー賞助演男優賞を受賞
髪を抜き、歯も抜いて歯並びを変え、
13kg減量したことはよく伝えられているかと思います。
まあ、彼は圧倒的な存在感。受賞も納得。

そのディッキーはかつて、マサチューセッツの貧しい町ローウェル中の期待を一身に背負うボクサーでした。
伝説といわれるボクサー、シュガー・レイと対戦した際にダウンを奪った、ということ
(だけ)が自慢。
天才肌タイプで、陽気でカリスマ性があり、町の人からも人気なのですが、
今ではすっかり落ちぶれてしまって、ドラッグの常習者です。
その彼をTVドキュメンタリーのスタッフが追いかけています。

一方、ミッキーは、そんな兄にあこがれて、小さな頃からボクシングを仕込まれてきた、どちらかというとおとなしくて、地道な努力家のタイプ。
彼にとって、ディッキーの言うことは絶対だったのでしょうね。
そんなミッキーをマーク・ウォルバーグが静かに抑えて演じているのがまたいいです。

そして、忘れてならないのがメリッサ・レオが演じた彼らの超・過保護な母親。


『フローズン・リバー』でアカデミー賞主演女優賞ノミネートをへて、
今年、ついにこの作品で助演女優賞を受賞したメリッサ・レオが
老けメイクで、何とまあうっとうしい(!)母親を演じています。

私も息子がいますけれど、
これほどまでに盲目的な母親ではないです。。。と思います。
シュガー・レイからダウンを奪ったディッキーを英雄視していて、
何かとかばったり、たまり場に乗り込んだりもして。
ジャンキーなのに、弟のトレーナーとセコンドをやらせている。
そして、ディッキーもこの母親には頭が上がりません。

この2人が、ファイトマネーのためだけに試合を組むので、
ミッキーは次第に勝利から遠ざかってしまうのです。

そんなミッキーを支えるのが、
これまたアカデミー賞助演女優賞ノミネートのエイミー・アダムス演じる恋人。

だって、彼らのほかに女兄弟があんなにいるのに(しかもすごい強烈!)、
誰もミッキーの味方はしないんだもの。
み〜んな、母親の言いなり。
それも貧しさゆえ、金銭のためなのかもしれませんけれど。

愛した人が、家族のせいで好きなことを思うようにできないとしたら、
ここはひとつ、私がガツンと強気に出るしかない、という女性を
エイミーはいい感じに演じています。そんなやや虚勢を張ったような役回りは
彼女にとても似合っていたのではないかと思います。
彼女の作品はよく見ますが、
『サンシャイン・クリーニング』『ジュリー&ジュリア』よりも好印象。


そんないろいろな家族とのしがらみや葛藤があり、
しかも、ディッキーはドラッグでついに逮捕という中で、
ミッキーは最後の世界タイトルマッチに至るわけです。

実話なので、ラストはわかってはいるのですが、
それでも、そのプロセスには、ぐぅっときます。


そう、そう。
ボクシングといえば、患者と医療者の関係がボクサーとセコンドの関係に例えられる
ことがあります。

実際に闘うのは患者でも、
セコンドは体調を整えさせ、士気を高めさせ、作戦を立てる。
打たれ続けて落ち込んでいれば、ゲキを飛ばして励ましたり、
冷静な判断のもとに作戦の変更を思案したりする。
セコンドはリングに上がらなくても、ボクサーにとっては勝利を左右する運命共同体のようなものですものね。
そのセコンドが、やっぱりひとりよがりで、怠惰で、自分のことばっかじゃ
勝てないわけですよね。

あ、それは患者と医療者だけじゃなくて、
親子にも、夫婦などにもいえるなあと思ったりもします。

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ザ・ファイター@ぴあ映画生活
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