『127時間』、闘えますか?
★★★★4.5
“生きる”こと、そして“いのち”というものに
正面から向き合った者だけが感じ得る境地
誰かが死ぬ映画は、もうたくさんだ!こりごりだ!という人へ。
誰にも頼らず、誰とも深い関係を持たず、
自分自身の楽しみだけを優先して生きてきた、アウトドア好きなアーロン。
金曜日の夜も、いつもの調子でロッククライミングに出かけるのですが、
翌日、アクシデントから岩場に右腕を挟まれてしまいます……。
最初、この映画も公開中止になるかと危惧しました。
ドボン、と水に飛び込むところがあるし、
なにせ岩に挟まれて、まったく身動きとれなくなってしまうのですから。
127時間も。
でも、観てもらうとよくわかると思うんです。
これは、生き抜く映画。
生きたいと決めたときの、人間の強さを信じる映画。
生きて帰ることを文字どおり、渇望した1人の青年の映画です。
3/11以後の今に、まさにぴったりなんじゃないかと思うのです。
「あきらめるな。未来を笑え」
今をどう生きるかで、未来は変わる。
右腕を岩場に挟まれながら、
彼は過去のことを回想していきます。
家族のこと、昔の彼女のこと、昔の自分のこと……。
部屋を出る直前にかかってきた電話のこと……。
その積み重ねで今があるのか、としみじみ思ったと思うんですね。
私自身も不義理をたくさんしてきましたので、
何か分かる気がしました。
『いまを生きる』も再見したばかりだし。
また、レイチェル・カーソンも言っていましたけど、
人は自らの力に誇りを持ってもいいとは思うんです。
でも、何もかも自分の思い通りにできるなんて、
おごってはならない、
過信をしてはならないと思うんです。
この映画の中で、特に好きなシーン
主人公のアーロンが、太陽のぬくもりを求めて、身動きの取れなくなった体を
まるで猫のように、もぞもぞと動かすところですね。
ああ、そうだよな、と、胸が熱くなりました。
太陽、大地、空、自然というものの大きさにひれ伏し、畏れを忘れないでいたい
と思わせてくれました。
そして、人を愛すことの大切さ。
お互いに、そのいのちを生かされ合っているのですから。
主演はアカデミー賞主演男優賞にもノミネートされました
ジェームス・フランコ。
好きですねぇ。
『スパイダーマン』で観て、このイケメンは誰だ!?と思ってたら、
3ではダークサイドに転じるし、『ミルク』ではゲイも演じて。
『食べて、祈って、恋をして』は彼が出てたから観たようなもんです。
しかも今年はアカデミー賞の司会まで!
しかも“あんな姿”(* ̄ー ̄*)(ヒント:ブラック・スワン)を披露してましたが、
でも、好きですよ。
あの状況で、あんなふうに「oops…」を言える俳優さんはそういません。
実際、oops どころじゃないんですけどね……。
そんなジェームス・フランコ×『スラムドッグ$ミリオネア』のダニー・ボイル
そして“実話”という絡みが、やっぱりこの映画の魅力。
ダニー・ボイルは本当、音楽の使い方がうまいし
冒頭から音楽で引き込まれますが、例のシーンは苦手な方は目をつぶるとしても
エンドロールまでしっかり観てほしいと思います。
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ダニー・ボイル 監督、スティーヴン・スピルバーグ製作
94分 、2011年6月18日,
2010,アメリカ、イギリス,FOX
(原作:原題:127HOURS)
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