8月・9月の映画録(下)『未来を生きる君たちへ』『ホームランが聞こえた夏』『ハンナ』ほか
●『未来を生きる君たちへ』 近日アップします。
憎しみや暴力からは何も生まれないということなのでしょうか。
許すことはそう簡単ではないのでしょうか。
だから、舞台はアフリカの紛争地帯なのでしょうか。
いじめや家庭の不和が取り上げられたのでしょうか。
やはり子どもには、親でも、誰でもいい、大人が、
いのちというもの、生きるということ、死ぬということを、正直に、真正面から
伝えてやらなければならないタイミングがあるんだと思います。
逆に、子どもたちから学ぶこともたくさんあると思いますけれど。
韓国のとある、ろう学校の野球チームに、天才といわれつつも
突発性難聴になってしまった元・ピッチャー、
さらに、落ちぶれた国民的スター選手のコーチが加わることになり、
日本の甲子園にあたる全国大会“鳳凰杯”を目指すという物語です。
大好きな映画『トンマッコルへようこそ』や、『黒く濁る村』
『彼とわたしの漂流日記』などに出演している
チョン・ジェヨンが、まったくもって嫌な感じで、
でも、実はハートの熱い!コーチを演じています。
このコーチが、選手たちを鼓舞するシーンが好きです。
障害があることに甘えてはいないか。
自分たちが来たなら、絶対に勝ってやるぞ。
熱い、熱い。でも、嫌いじゃないですね〜。こっちまで胸が熱くなりました。
この映画、実話がベースになっています。
日本とは違って、韓国の高校野球部は50数校しかないので、
地区予選はなく、高校野球部として登録されれば即“鳳凰杯”に出場できるようなのですが、
少数精鋭のため、ほぼすべての野球部が強豪、全国レベル。
そんな中でも、モデルとなった野球部は、今も“鳳凰杯”での1勝に向けて、
がんばっているそうです。
彼らの夢はまだ現在進行中なんですね。
また、野球と手話を、クランクイン前に覚えた選手役の若者たちにも拍手です。
自閉症ランナーを描いた『マラソン』(2005年)に感動した方はツボかもしれません。
シアーシャ・ローナン、好きなので観ました。
最初の、フィンランドの場面ではどうなることかと思いましたが、
まあまあ引き込まれ、
ハンナはどうなるのだろう、どんなオチになるのだろうと思いきや、
なるほど、そういうことだったとは。
すごく強いけれども、色白で、線の細いお人形さんみたいなハンナに対して、
大柄で、緑色の服をまとうケイト・ブランシェット演じる女CIAのマリッサは、
まるでグリム童話に出てくる悪い魔女みたい。その対比が印象的でした。
劇中で、もっと遺伝子操作のことを匂わせてもよかったのでは・・・。
哀れみなどの感情を抑え、感覚を鋭くしたと後に言われても、イマイチ、ピンとこず…。
あ、でも、匂わせていましたね。
「赤ちゃんを強くしてもらう」って言ってましたもんね。
なんかちょっと惜しい感じもする映画でした。
でも、DVDでもう一度観ると思います。
●『カンフーパンダ2』
子どもと観てきました。大変おもしろかったのですが、
できればもうちょっと、字幕の3Dをやる劇場があったらなと思いますが・・・。
DVDでジャック・ブラックのポーを確認するとします。
●『阪急電車〜片道15分の奇跡〜』
『八日目の蝉』と2本立てだったので、つい。
『八日目の蝉』みたいに重くはないけど、劇的ではないけど、
ほっこり、あったかい気分になりたいときにはいいですね。
人によって、泣けるツボ、笑えるツボは違うかもしれません。
往路と復路で、経た時間を感じさせるのがうまい。脚本がいいのでしょうか。
・Twitterでも時々つぶやいています @uereiy
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