『ツレがうつになりまして。』をツレと観られるか。
全国ロードショー中
★★★★
一緒に、治していく。
一緒に、成長していく。そんな夫婦の物語
同名の大ヒットエッセイが原作。映画の原作となったこのシリーズは全部持ってます。
細川貂々さん、ファンなので。
というか、Mac雑誌の連載 → あ、この人、「ツレうつ」の人だったのか→
「ツレうつ」「その後のツレうつ」→ NHKドラマ →「イグアナの嫁」 → 映画という形で
お付き合い?させていただいておりました。
映画化は満を持してという感じ、私にとって。
だからか、かなり勝手にですが、貂さんとツレさんは他人のような気がしません。
(私も夫を「旦那」とか「主人」と呼ぶのは、どうも苦手なので)
ほんとに勝手にすみませんm(_ _)m。
そんなお2人を、大河ドラマ「篤姫」で名コンビを見せた
宮崎あおいさんと堺雅人さんが演じています。この配役が、すでにパーフェクトといってもいい。
売れない漫画家で、まめで几帳面なツレに甘えっぱなしだった妻が、
ツレのうつ病に直面。
2人で、ともにうつ病と向き合い、成長していく姿を、
『半落ち』の佐々部清監督がハートウォーミングに描いています。
佐々部監督の周りでも、ここ10年の間に奥さまのいとこさんや、高校時代のお仲間が
うつ病になり、自らいのちを絶たれたそうです・・・。
ですから、監督にとっても、どうしても映画化したかった作品だったようです。
毎年、自殺者が3万人を越えて、どんどん増えている国、日本だけですし。
心の中、土足厳禁
でも、放ってはおかないで。
うつ病をテーマにした作品には、木村多江&リリー・フランキーの『ぐるりのこと。』とか、
夫婦ではありませんが、寺島しのぶ主演『やわらかい生活』、
クリスティーナ・リッチ主演『私は「うつ依存症」の女』なんてのもありますが、
この映画は、不思議と、まあ原作の力やキャストもあるので
それほど肩に力を入れずとも観られるとは思いますが、
ツレがうつになって、少しずつ、少しずつ治っていくお話ですから、
なっていく前半の過程は、感情移入するのもなかなかつらい時間帯。
結婚前には、私もブラック会社みたいなところにもいたので、
人がどんどん辞めていって
自分がもういっぱい、いっぱいになるのも経験したことはありますけれど、
ツレも仕事のストレスによって、しだいに、悪くなっていきます。
このとき、のほほんほん、と暮らしていたマイペースな妻、ハルさんは
なかなか気づけないんですね。
ナイフを持ってこられて、「死にたい」と言われて、初めて気づくという・・・。
この過程に関しては、原田泰造さんが演じたNHKドラマのほうがより詳しいかもしれません。
やがて、原作にも出てくる、あるエピソードが肝となり、
頭をドカンと殴られたような衝撃を受けることになります。
うつが、ほんとうに怖い病気であることを知ります。
不用意な、心の中への土足は厳禁であることも。
実際には、もっともっと、笑えないことがたくさんあっただろうとは
思いますので、その辺りは差し引いて観たほうがいいかもしれません。
それでも、映画の中では2人で、ゆっくりでいいから、
前に進もうとするようになります。一緒に。
イグはもちろん、大杉漣さん、余貴美子さん演じるお父さん、お母さんなども一緒に。
終盤、結婚講座同窓会で、
あおいちゃんと堺さんとともに、カメオ出演している貂々さんとツレさん、
あおいちゃんが、夫婦の再生に向かって「健やかなるときも、病めるときも・・・」
と語るときに
ほんの少しだけ写る、涙ぐむ貂々さんの様子。
そこで涙腺崩壊でした。
ちょっと演出過多かしら、と思うところもありますけれども、
私は、同時期に公開されていた別の映画のハルよりも、
こっちのハルさんのあおいちゃんのほうが断然いいし、
うつ病という難しい役柄ではあるけれど、軍服姿より、
こっちのツレの堺さんほうが断然いい。
うちの相方は、こういう邦画はまったくといっていいほど観ないのですが、
今度、一緒に観てみようと思います。
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Healing & Holistic Movie Life
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