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2011年12月 5日 (月)

『アントキノイノチ』をかかえて生きる。

Photo


アントキノイノチ


★★★


遺品整理というグリーフワークを通して
「元気ですかぁ〜!?」未来の自分へ問う


高校時代に親友を自殺に追いやってしまったことがきっかけで

心を閉ざしてしまった永島杏平(岡田将生)と、

過去のある出来事から自分を責め続けている久保田ゆき(榮倉奈々)。

そんな2人が、遺品整理の会社クーパーズで出会う…というお話。

岡田将生くんと榮倉奈々ちゃん。この若い2人の演技は、とてもよかったですね。

つらい、苦しい、生きづらい。そんな若者を好演していたと思います。

そして、遺品整理業というお仕事。

『おくりびと』は、亡くなった人の身をきれいにしてくれる納棺師の世界を描き、
なるほど、こんなにまで亡くなった人に尽くしてくれる職業の方がいるんだと感激しましたが、

どちらかというと、
美人姉妹で事故現場の清掃を請け負う『サンシャイン・クリーニング』に
近い感じになるのでしょうか。


亡くなった人のお部屋をきれいにし、不要品は処分し、形見分けもする。
“天国へのお引っ越し”とはよくいったものです。

たいてい孤独死のお部屋で、大家さんや疎遠になった家族・親族から依頼をされます。

無縁社会における、ニッチな(すき間の)産業の1つといえるかもしれません。

心にキズを追った若い2人が、この仕事をします。これは、つらそうです。

死生学で知られるアルフォンス・デーケン先生は、よく講演で

「天国へは何も持っていけません。すべてを手離すんです」とおっしゃいます。


そう、だから遺された者は、遺された物を何とかしなければいけなくなるのですが、

そこを、家族・親族さえも無関心で人任せにしてしまうご時世。

とても悲しいことです。

最初のころは、遺品整理の現場で泣いてしまったこともあった杏平ですが、

過去を告白後に姿を消してしまったゆきを思い、

やがて、かつての親友のときのように「もう無関心にはならない」と、

故人が遂げられなかった家族への思いを伝えようとするのでした。

故人の、いのちというものを、もう一度、周囲に気づかせようとするのでした。

この映画を観て、

私が昔、救えなかった、アントキノイノチのことを考えました。

心のキズってどうやっていやしていったらいいんだろう、と考えました。


このキズを、「喪失」と呼んでいいのかもしれません。

デーケン先生によれば、「人生は喪失体験の連続」だそうです。

確かにそうですよね、生きているかぎりは。

生の先に死がある。

それはもう、確実に分かっていることです。


だからこそ、生きている自分のいのち、家族のいのち、友人のいのち、隣人のいのち、

遠くにいる、見知らぬ誰かのいのち。

すべてのいのちは尊い。

けして無関心では、いられないことです。

<以下、ネタバレ注意>

テーマもいいし、若い2人の熱演もいい。

なのに、何だか残念な気持ちがするのはなぜなんでしょう?


前半、遺品整理業というものにがぜん興味を引かれ、
前のめり気味に観ていたのですが、

ちょっと途中から、「あれれ!?」。
失速というか、うーん、うーんと首をかしげることに。


山岳部、松坂桃李くんのあたりでしょうか。

介護施設での遺品整理をするあたりからでしょうか。


そして最後・・・

何も死なすことはないだろう、と思うのです。

彼女の遺品整理を、彼自身にやらせたかったのかもしれないのですが。


「元気ですか〜!?」

それでも最後、このひと言には救われました。

何気なく、幾度も口にする言葉。

ご無沙汰してる人に一筆書くときには必ず、一番最初に書きたい言葉。


アントキノイノチを2人で思っていたら、アントキノイノキになって、

「元気ですか〜!?」とへつながる。

そして、海に向かって笑い飛ばす。

そうか、これもいわばお互いのグリーフワークなんだな、とは思えます。


ラスト、「元気ですか〜!?」と問われた女の子の笑顔もかわいらしいので、

もやもやした後半の失速も若干救われる気がした、映画でした。


↓この2人の共演と、このテーマ、このスタッフ。
おすすめです。


↓看護師によるエンゼルメイク(死化粧)にも
何かしらの影響を与えたとか、いないとか。


アントキノイノチ@ぴあ映画生活

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