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2011年12月31日 (土)

『ヒア アフター』忘れないために。

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ヒア アフター


★★★★


ブルーレイ&DVD発売中
オンデマンド配信中


2011年を代表する作品。
この世で“それでも、生きていく”


この映画は、皆さんご存じのとおり、
劇場公開中に東日本大震災があり、
冒頭に大津波のシーンがあることから、即、公開中止となりました。


それでも、監督のクリント・イーストウッドは、
ブルーレイ&DVD商品の売上げの一部を寄付するとのこと。

パッケージの裏にも、
「東日本大震災によって被災された皆様、影響を受けられた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
『ヒア アフター』ブルーレイ&DVDには、作品の演出上津波の描写が含まれています。
ご了承の上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。
『ヒア アフター』ブルーレイ&DVD商品の売上げの一部は、日本赤十字社を通じて復興支援活動に役立てられます。
被災された方々及び地域の一日も早い復興を、心よりお祈り申し上げます。」

と書かれています。


この映画については、今年最後に書きたかったのです。

この映画を観たら、きっと2011年を思い出すでしょう。誰もが。

きっと忘れられてはならないもの。


津波によって臨死体験をしたフランスの女性マリー、

双子の兄を交通事故で失ったロンドンの少年マーカス、

そして霊能力という自分の才能を嫌悪する男ジョージが、

「死」や「死者」と向き合っていきます。

臨死体験したことを周囲に話すマリーですが、

信用を失い、恋人にもあきれられ、仕事も干されてしまいます。

もう以前と同じようにはいられなくなったマリーは

誰かに伝えたい、この思いを昇華させたいと、自身の体験を本にすることを決意します。


また、マーカスは双子の兄ともう一度会いたくて、話がしたくて、
霊能力者のサイトを見まくります。

母親はアルコールとドラッグの中毒者らしく、リハビリ施設に行くので
一緒には暮らせません。
孤独なマーカスは、兄の形見の帽子をいつもかぶっています。


ジョージは、霊能力を“呪い”とまで考えています。
もう2度としたくはないのに、
それを求める人、求めざる人にかかわらず、コンタクトできてしまいます。

せっかくの恋の始まりも、それでふいに…。
彼もまた、孤独な身なのでした。


その3人が、ようやくロンドンでのブックフェアで出会うことができます。

お互いに前を向くきっかけが、ここから始まります。

やっぱり一番感情移入しちゃうのは、マーカスでしょうか。


「あの世」や「霊能力」なんて、うさんくさい、非科学的だ、という人もいるでしょう。

でも、これがクリント・イーストウッドの死生観なんだと思います。

『ラブリー・ボーン』にもあるような、完全にあの世にいくまでの
間の世界といいますか・・・。

ジョージには、いくら自分が嫌で嫌でたまらなくても、見えちゃうんだもの。
仕方ないですよね。

マーカスのようにあまりにも、それが突然すぎて、きちんと「さよなら。」できなかったら、
救いとして、強く求めたくなる気持ちも分かる、うん、そんな気がします。

特に、父親もいないようだし、母親はあんなだし、
ソーシャルワーカーや里親が、兄の死について語ってあげることができたらよかったのに
とも思いますが、
マーカス自身が彼らには心を開けないでいましたから、やっぱり難しかったかもしれません。


交信中、「Don't go.」と、マーカスは兄に訴えかけます。

でも、一緒に行ったらだめです。

(本当なら、母親があの子に言ってあげてほしかったなと思いますが)
“君は1人じゃないんだ。それでも、今を生きろ。これからを生きろ”というメッセージ、
私自身も、確かに受け取っていました。


物語は淡々と、穏やかに進み、

仰々しくも、押しつけがましくもなく、それぞれに考えをうながすようなつくりです。

3回観ましたが、

後から、じわじわ、じわじわと効いてきます。

『永遠の僕たち』の2人には、きちんと「さよなら。」する時間がありました。
友人?ヒロシの手助けもありました。

今回の地震でも、スマトラ島の大津波でも、ロンドンのテロ事件などでも、

きちんと「さよなら。」できなかった人たちは、じゃあ、どうすればいい…。


私は非力で、何の専門家でもありませんが、もちろん霊能力者でもありませんが

“それでも、生きていく”ための何かができないかなと、思ってやみません。


ヒア アフター@ぴあ映画生活

↓今年話題になったものとして、TPPもあります。
こちらは『シッコ』でマイケル・ムーアが表面化させたアメリカ民間保険会社の暗部を
法廷ドラマとして見せています。うら若き日の、マットです。


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Healing & Holistic 映画生活

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