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2012年1月12日 (木)

『パーフェクト・センス』不完全な感覚、完全な融和

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『パーフェクト・センス』

★★★★☆


新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー


パンデミックの中で始まった
完全なるラブストーリー

主演は実力派ユアン・マクレガーと、『007/カジノ・ロワイヤル』のヒロイン、エヴァ・グリーン。

ですが、万人受けはしないと思います。


“SOS”と命名された原因不明の奇病が、世界中に広がっていくのですが、
『コンテイジョン』みたいな、パニックと恐怖の蔓延というわけではなく
『28日後...』
みたいな、感染者に襲われたら最後というようなホラー要素もないのですが

たいへん怖いのです。

何が怖いかって、

この映画に出てくる“SOS”とは、直接的に命を奪わうわけではないけれども、
嗅覚、聴覚、視覚といった人間の五感を次々と奪い去っていくものだから・・・。


それがまず、症状として表れるのは、突然の「悲しみ」の到来。

どこもかしこも、誰も彼もが、ふいに立ち止まり、
生涯の中で遭遇したもっとも悲しい出来事に支配されてしまって、
おいおいと涙を流し始めるんです。

そして、なぜか奪われていく嗅覚。


においが分からなくなるってどうなんでしょうね。
嗅覚ぐらい、大したことない、なんてことはありません。

大好きな人のにおい、おいしそうな食べ物のにおい、
おひさまのにおい、いやしをくれるアロマのにおい

分からなくなったら、それはそれでイヤです。
特に、主人公のマイケルはレストランのシェフですから、仕事にも支障をきたします。

一方、スーザンは、重症嗅覚障害症候群、通称“SOS”と名付けられたこの病気の
原因究明を迫られる科学者でした・・・。


<以下、ネタバレあり>


何となく、この映画は『127時間』を思い出します。

その主人公・アーロンは、自分がこの大地を支配していると言わんばかりに、
断崖絶壁を縦横無尽に駆け巡り、大自然というものを1人満喫していたはずですが、

そうした“おごり”の果てに、右腕を岩にとらわれるという不自由を強いられてしまいます。

その極限状態の中にあって、少しずつ磨かれていく、さまざまな感覚。
いえ、今まであまりにも当たり前すぎて、持っていることを忘れていた感覚を、生きるか、死ぬかの中で、かえって取り戻していくのです。

逆に、こちらの映画では、五感の消失が次々とやってきます。

嗅覚の次に失うのは、味覚。

やはり突然の「恐怖感」にかられた後、暴飲暴食の果てに味覚を失い、
手当たりしだいに、あらゆる物をむさぼり食べるようになります。

マイケルはシェフなのに。

それでも、少なくとも食べ物の温度や食感だけを楽しめるように工夫して、
何とか料理をつくっていくようになるのです。

人間の創造性が試されていきます。

しかし、やがて訪れるのは、理由のない「怒り」の爆発の後の、
聴覚の消失。

そして最後には、あることによる「喜び」の後に、視覚を失ってしまいます。


唯一、残ったのは触覚。


音もない、真っ暗闇で、相手に触れることでしか、お互いの存在を感じることができないのです。


世界中の人々がそうなってしまうのでしょうか。

とても怖ろしい、終末的です。寓話的です。

人間がいかに五感に依存し、相互に関連づけられて生かされているか、
改めて問われているような気がします。


ところが、そんな中にあって愛を深めていく2人に、ユアンとエヴァがとてもお似合い。

何かの感覚を失えば、ほかの感覚がかえって磨かれていく、
研ぎ澄まされていくので、

いっそう、やけに生々しく(?)、リアルで(!)情感も豊かなラブシーンが印象に残ります。

そう、これは、あくまでもラブ・ストーリーなんです。


極限の状況の中でも、いえ、極限の状況の中だからこそ

失ったものが大きければ大きいほど、

やはり人は人を求め、互いに触れあい、寄り添いあい、心を和ませあい、

より親密になっていくのかもしれません。

↓エヴァ・グリーン(『ダーク・シャドウ』の魔女)もきれいでした。


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