『幸せの教室』学ぶ場所がある喜び
★★★
トム・ハンクス×ジュリア・ロバーツ
2大共演でおくる、セカンドチャンスの物語
トムは主演・監督・脚本・製作を手がけています。
友人でもある2人、アカデミー賞受賞者同士の共演。
この2人のことを嫌いっていう方はそういないんじゃないかなと思いますが
万人受けしないにしても、
「久しぶりに映画でも観よっかな」というときにはもってこいな、
ほのぼのとして、時々笑いもあり、
安心して観ることのできる映画です。
そんなにトキメク感じの作品ではないのですが
ジュリアの酔っ払い演技と
久々の「がっはっは」笑いを観られたから、それだけで満足です。
なので、ちょっとこの映画の背景にあることについて、少々。
リストラ、離婚、不況、不良債権、差し押さえ…
トムはニア・ヴァルダロスと脚本を練っている際にリーマンショックが起こり、
こうした社会問題を盛り込もうと考えたそうです。
そんな状況下でも、
学ぶことによって、もう一度、自分自身で変わっていこうとする、
もう一度、未来を切り拓いていこうとする主人公の姿、
それによって、
教える側やともに学ぶ仲間も変わっていく姿には共感を覚えます。
何より、
この映画で一番すごい!いいね!と思ったのは、
何らかの理由で「学び損ねて」しまった人たち、
もっと「学びたい」と思っている人たちのために
アメリカにはコミュニティ・カレッジという場所があるということ。
ウィキによれば、コミュニティ・カレッジとは
日本の短期大学ともちょっと違う「2年制大学」の公立教育機関。
入学試験はなく、18歳以上で高校を卒業していれば、どなたでもどうぞ
という、なんとも広い間口なんです。
所により、カリキュラムは様々なようですが
ちゃんと単位を取れば、学士号に結びつく短期大学士号ももらえるし、
それを持って4年生大学に編入もできるし、
就職に結びつく専門教育や職業訓練にもなるコースもあるということ。
公的機関なので、費用が安いこと。
という、教育システムの中身を垣間見ることができました。
はるか彼方の学生時代・・・
同級生に60歳ぐらいの方が1人いたのですが、
リュックを背負ってキャンパスを闊歩し、
講義ではいつも一番前の席に座っていた、あの方を思い出しました。
この映画は、トム・ハンクスが高校卒業後に
コミュニティ・カレッジに通った実体験にも基づいています。
本作にもあるとおり、生徒たちは20歳前後の若者だけでなく、
トムが演じるラリーは50歳くらいだし、40代の主婦らしい方もいます。
そういう、学ぶ場がある、ということ!
就活の失敗を苦にして自殺する若者が増えている“先進国”において
今こそ、これまでの一辺倒の価値観が見直される転換期ではないのか、と
ず〜っと考えていますが
日本の大学や、生涯教育の現場にとっても
いろいろと学ぶことが多い映画だろうと思うのです。
↓もう1本、ジュリアが先生になった作品。なにげに生徒たちが豪華!
・Twitterでも時々つぶやいています @uereiy twilog
・試写会や来日記者会見の感想もちらほら。
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Healing & Holistic 映画生活
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トム・ハンクス監督、
98分、2012年5月11日公開
2011,アメリカ,ディズニー
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