新『スノーホワイト』いいところもあります
★★★3.5
童話の世界には、やっぱり
教訓がつまっている
私は結構、おもしろいと思いました。
こういうお話はやっぱり悪役が効いてないと!
「鏡よ、鏡」と、自分の美しさと若さを確認するために問い、
“抗加齢”のために魔力を使いまくる
ラヴェンナ女王様(シャーリーズ・セロン)が、断然いいです!
一方、スノーホワイトを演じるクリステン・スチュアートも
こっちの、強い心を持ち、慈しみのある、
癒しと勇気を与えられるスノーホワイトのほうが
いつも守られているベラよりも似合っているように思いました。
きっと慈愛というのは、
愛し愛されたからこそ、周囲に返せるのでしょうね。
1羽の小鳥にさえも。
それにしても、女王様
恐ろしいほどに、加齢に抗っています。
何と言っても、若い娘の精気を文字どおりに吸い取って生きているんですから。
ただ、これだけ名作ファンタジーが映画化されているとしょうがないのですが、
その様は『ハリーポッター』シリーズの
吸魂鬼(ディメンター)のキスを思い起こさせたりなんかして・・・。
ほかにも『ロード・オブ・ザ・リング』や、
『もののけ姫』
『風の谷のナウシカ』など、
いろいろ寄せ集まっているようで、既視感があるのはどうしてもぬぐえません。
でも、まあ
許せる。
『マイティ・ソー』の中の人であるクリス・ヘムズワースのきこり、
自然と芸術を愛する7人のこびと(最初は8人)
それぞれのキャラがそれを補って余りあります。
それに、こびとのおじさま方が出てきて、「あ、これって白雪姫だったっけ」
と改めて思い出したくらいの、それまでの
いい意味でのぶちこわし感は好みでした。
さすが、『アリス・イン・ワンダーランド』のスタッフがおくる
ということで
それなりに映像もスタイリッシュだと思うし。
もともと、「白雪姫」は、
心理学に白雪姫コンプレックスという言葉もあるぐらい、
言葉はきついですが、
精神的にいう親による「子殺し」がその根幹にあります。
自分にはすでに失われてしまった若さと美しさを持ち、
希望にあふれたスノーホワイトに対する、
女王の嫉妬や憎しみ、さらには自己顕示欲というのか、
自分の力を認めさせたいという承認欲求というのか、
「私のほうがきれいだ」という強迫神経症的な思考などを
さすがのシャーリーズ・セロンはうまく演じていて、
VFXの力も相まって、
そこに、やはりググッと引きつけられました。
こうした女王様のような傾向は、やがて摂食障害などにもつながっていったりしますので、
どこか『ヤング≒アダルト』にも通じるものがあり、
あの『ヘルタースケルター』にさえ通じるような
今日性を感じています。
チラリとだけ触れられた、女王の幼少期にも
ちょっぴり、同情の余地はあるのかもしれません。。。
8/24〜リドリー・スコットの『プロメテウス』も本当、楽しみだな。
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「スノーホワイト」★★★☆
クリステン・スチュアート、クリス・ヘムズワース
シャーリーズ・セロン、サム・クラフリン出演
ルパート・サンダース監督、
127分、2012年6月15日公開
2011,アメリカ,東宝東和
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ジョニー・タピアさん、いつもいつもありがとうございます〜!
本当にシシ神様のようでしたね。そういうところで、低評価なんでしょうかね。
シャーリーズ・セロンは、さすがでした☆。
投稿: uerei | 2012年6月21日 (木) 18時24分
ロードオブザリング、もののけ姫感ありましたね~
シシ神様には笑いました(◎´∀`)ノ
シャーリーズ・セロンは最高でしたね
投稿: ジョニー・タピア | 2012年6月21日 (木) 14時25分