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2012年6月 8日 (金)

『少年と自転車』やさしい場所へ向かって

Photo_2


少年と自転車


★★★★


自転車の立ちこぎに込められた心情が、
これほど胸に迫る映画はない

なぜかチラシが見当たらないので、パンフ写真で(^-^;

ようやく観た、待望の作品でした。

試写会に行きそびれ、

渋谷の劇場は『別離』と時間が合わないようになってるし、

ヒュートラには満席御礼で振られているし。


ようやく、観ることができて本当よかったです。


なんて、やさしさにあふれた映画なんでしょう。

心に沁みました。


少年と自転車はよく合います。

立ちこぎはマストです。



赤いTシャツがまぶしい、主人公のシリルは
いくつくらいなんだろうな、と前半思っていました。

父親が養護施設(ホーム)に迎えにくるのを待ち続け、

つながらない電話に業を煮やして、以前、2人で住んでいたアパートへ向かうのですが、

アパートの中に入るために、なかなか頭を使っているし、
必死さがとてもよく伝わってきます。

その一生懸命ぶりがあまりにも自己中心的なので、
観ようによっては、イラつく少年ではあります。


ただ、彼は

父親はどこに越したのか。

自分の自転車はどうなってしまったのか。

父親は、なぜホームに迎えにこないのか。

父親とまた一緒に暮らせるのはいつなのか。


で、頭がいっぱいなだけ。

疑問系をたくさん抱えたシリルに、形骸化したシステムの大人は、かないっこありません。

赤を着るのは、「気づいてよ」「見つけてよ」というサインなんじゃないかとも思います。


そして、出会ったのがサマンサという美容師。
『ヒア・アフター』のセシル・ドゥ・フランス。


シリルのその必死さが、
彼女にしがみついて離れない、シリルの強い思いが、
サマンサを週末だけの里親へと導いたのだと推察します。

この辺、わざと詳しくは描写しなかったと、ダルデンヌ兄弟は述べていました。


それよりも重要なのは、

いろいろとゴタゴタを起こしても、

そこにいること、共にいること、寄り添うこと。

自分の身を案じ、しつこく携帯を鳴らし、そこら中を探し回ってくれ、

信じて待っている存在があって、

その元に帰ることができる、ということ。

帰る場所がある、ということ。

それが、シリルにとってどれほど必要か。幸福か。

そっちのほうが、大事でしょといわれている気がしています。


シリルはもうすぐ12歳、でした。

大人の都合というものや、
うまく折り合いをつけているものに翻弄されながら、

だんだんと気づいていき、傷ついていき、

そして、何かを腑に落とす。そういうお年頃ですよね。


少年の1つの成長に、付き添った気分になりました。


川べりを2台の自転車が並走して、
原っぱでサンドイッチ食べてるだけで、なんか泣けてくる映画もめずらしいな。。。

それと、水のシーンで、
仕事をしてからちゃんと向き合ってあげたサマンサって
すごいわ、と単純に感動。


少年と自転車 - goo 映画

少年と自転車@ぴあ映画生活


↓主人公の少年オスカーもたしか11歳だったと。


↓このパパが、あのパパなんだもの…。

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コメント

rose_chocolatさん、コメありがとうございます。

>シリルの行動とか仕草はとてもリアルで、特別に演技指導などしてないかのように自然でした。男の子はああいう風に食らいついてきますので余計にシリルにも情が沸いてしまいましたね。

本当そうですね〜!演技とは思えなかったです。
うちも、言い出したら、てこでも動かない、みたいなところはあるので、
あの必死な感じには情が沸いてしまいました。

父親を生きていながらにして失うという、シリルの喪失感には、
サマンサのような体を張った寄り添い方が、必要だったんだと思いますね。

いつもTwitterではありがとうございます。
「寄り添う」ってことなんでしょうね。 本作はそこに共感できたか否かで受け止め方の違いが出てくるように思いました。
シリルの行動とか仕草はとてもリアルで、特別に演技指導などしてないかのように自然でした。男の子はああいう風に食らいついてきますので余計にシリルにも情が沸いてしまいましたね。

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