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2012年6月28日 (木)

『星の旅人たち』と歩く道の果て

Theway_2

星の旅人たち

★★★★4.5

何を思い、ゆくのか。
道があるから、ただ歩く。

いやあ、いい旅でした。

フランス国境からピレネー山脈を越え、
スペイン北西部を横断する
その距離なんと800㎞の巡礼路、

聖ヤコブが眠る
サンティアゴ・デ・コンポステーラまで、ひたすら歩いて歩いて、歩く旅です。

妻を亡くして以来、
疎遠になっていた1人息子ダニエル(エミリオ・エステベス)を、
この旅の途中で亡くした喪失感は、
トムというベビーブーマーの父親(マーティン・シーン)を、
自然と、自らも巡礼の道へと導いていきます。

トムの心情そのものは、あまり詳しくは描かれてはいません。

息子は何を思い、この旅に出たのか。

旅の終わりの聖地には、何か救いがあるというのか。

「2人で旅立つ」という言葉どおりに、

息子の遺灰をバックパックにしのばせ、至る所にまいていきながら

トムは、黙々と歩き始めます。

旅の醍醐味は、人との出会いでもあります。

同じ目的をめざし、

ともに助け合い、ともに今日の労をねぎらい、飲み、語り、食す。

トムがまず出会うのは人なつこい、食いしん坊のヨスト、fromオランダ。

助けてもらったりしましたが、時々、少々うざい。

でも、実はすごく心根の優しい人。
(『ドラゴンタトゥーの女』のあの人だとは思いもよらない!)

かと思えば、禁煙を誓いにいくというサラ、fromカナダのように、
人を寄せ付けないように、わざと高圧的に
厭世的にふるまう人もいます。

何か訳ありな様子ではありますけど。

そして、「偶然にこの旅を始める人などいない」と、ずばっと本質をつく
ジャック、fromアイルランド

ダニエルとよく似て頭が切れ、自信過剰な、スランプ作家。
ものすごいおしゃべり。うっとうしいぐらい。

でも、そう、彼のいうとおり、旅はいつも必然として始まります。

この巡礼者たちの距離感がまた、とてもいいのです。

それぞれのペースはちゃんとあるものの、

目指すところは同じですから、途中でまた出会えたりします。

多少距離が開いても、

相手を待つ、という思いやりもあります。

かかわりたいから、歩みを速めたりもします。

でも、人に無理に合わせる必要はない

人のペースに口出しもしない

行く先は同じなのだし。

ジプシーが盗んでいったトム(ダニエル)のバックパックを
4人で追いかけるところの一体感は、そんな中で自然とはぐくまれてきたものですよね。

旅路では1列になったり、ときには2人並んだりして歩きますが、

最後、サンティアゴの寺院についたときなど、
4人並んで、向かっていったのも印象的でした。

同じ道を歩いてきたけれども、始めた理由も、

考えてきたこともそれぞれなのだから。

ゴールにおいての振る舞いも、それぞれでした。

自分探しの旅とは、よくいいますが、

探すべき、本当の自分なんてものはあるんでしょうか。

この今、ただ、ある自分。

生きている。生かされている。

それが、自分そのものではないか。

あるがままにそれを受容し、歩いていくだけ。

道があるから、ただ、歩く。

そう考えると、

「人は人生を選べない。ただ、生きるだけ」というダニエルの言葉が

だんだんとその意味の深みを増していきます。

日本で言うと、四国88カ所のお遍路のような、巡礼の旅。

それは国や宗教を超えた、普遍的な
人として生きる道を歩む旅なんだろうと思います。

最後の最後に並んだ、父と子、2人の肩。

一番の感動ポイントでしたが

何とも呆気なくすらあります。

「さようなら」は、まあ、たいてい呆気ないものなので

それでいいんだとは思いますけれど。

この旅において、時々、ダニエルがそこかしこにいる(見える)んですよね。

息子が何を旅に求めていたのか、

トムは、最後にはきっとわかっただろうと

ラストの彼の表情の清々しさでわかる気がしています。

エミリオ&ラモン・エステヴェス(マーティン・シーンの本名)親子のおかげで
いい旅の夢を観させてもらいましたよ、本当。

Gracias グラシアス!
Buen camino ブエン・カミーノ!よき旅を!

↓この夏、震災に遭った地区の高校生が歩きに行くそうです。

星の旅人たち - goo 映画

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