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2012年8月22日 (水)

『おおかみこどもの雨と雪』にある子離れと親ゴコロ

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おおかみこどもの雨と雪

★★★★★

親がイチバン難しいのは
子どもから離れることだ

子育てと、子離れ。

子どもが自分の生きる道を見つけ、
信じられる人、信じられる世界を見つけていくお話。

それを親が見守る、見送るお話。

細田守監督の『サマーウォーズ』も『時をかける少女』も、
どちらかというと、すっかり出遅れて、話題になってから観て、

なるほど!みんなが大好きになるワケが分かるっと思ったものですが

本作は早い段階から、映画を生業にする方々からの絶賛の嵐。

そして、同い年の娘を持つ友人からも「号泣した!」との知らせ。

これは、子どもと一緒に観たかったようでいて、

実は、子どもと一緒に観るには、どこかこっぱずかしい親ゴコロにあふれ過ぎていて、

一緒じゃなくてよかった、とちょっとホッとしながらも

子どもたちと一緒になって号泣しているママさんたちがうらましくもあったりと

微妙な気分にさせられました。

親たるもの、

子どもがああいうふうにして行くまで、そばにいて、

ご飯をつくり、ともに学び、

日常を過ごし

「大好きだよ」と、「大丈夫だよ」と

「いてくれてありがとう」と伝えていく、

それが親の務めの1つなのだなと。

そして、【時】がきたら、

勇気を持って、子どもたちをああやって送り出すんですね。

 

そこにいたるまでに
「雨」と「雪」の母親である「花」が考えさせてくれた2つのことが

私にはとても新鮮に思えました。

あまり、日本映画では、見たことのない光景だったもので。

“普通”と違っている家族、“普通”と違っている子どもたちに

どう違っているのか、なぜ、自分たちにとっての“普通”を周囲に見せてはいけないのかを

1つ1つ丁寧に説明して、納得させていってる「花」。

自らもあきらめることなく、前向きで、常に学ぼうとしているし。

何より、よく働く。よく動く。

頭が下がります。本当に。

また、「花」の子どもたちへの言葉のかけ方、接し方。

何かをしてほしい、言うことを聞いてほしい、お手伝いしてほしいときには
子どもたちに対して、最後に「おねがい」とつける。

そして「ありがとう」と言う。

「○○しなさい」という言い方はしてないですよね。

子どもたちの自主性を尊重して、強制するでもなく

「おねがい」で考えさせる、答えを自ら出ささせる。 

そして、答えを出してくれたら、それを受け止めて「ありがとう」。

こういうことって、子どもの自己肯定感を高めていく
親としてのあり方の原点のように思います。

画としては、

雪の原の、おおかみ目線での疾走シーンが特に好きでした。

一緒に走っている気分になれました。

「雪」の天敵が三毛というのも、笑えるw。

主題歌も含めて、今年1番ぐらいに気に入ったな〜と思ったのですが、

今年の邦画はすごい。

まだまだ上手が出てくるわけですが。。。(それはまた後日)

「かあさんの唄」が流れるエンドロールで

思い出していたのは『隣る人』というドキュメンタリー映画でした。

メッセージは一緒なんだと思います。

でも、隣る人ではあるけれども、ずーっと一緒にはいられないんですよ。

特に、こういう記事を読んだりすると、

余計に考えさせられます。

おおかみこどもの雨と雪@ぴあ映画生活

おおかみこどもの雨と雪 - goo 映画

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コメント

ヤマさま、コメントいただいていたのに遅くなりましてすみませんでした。
ありがとうございました!

たしかに、「花」は理想化された女性像だったかもしれませんが
親としては本当に考えさせられるところが大きかったんです。
だから、子どもと一緒に見るのはこっぱずかしいですし、
花に対しても反発より尊敬が先に来ますー。

また、どうぞよろしくお願いします!

uereiさん、こんにちは。

 昨日付の拙サイトの更新で、こちらの頁を例の直リンクに拝借したので、報告とお礼に参上しました。

 拙日誌に「言うなれば、理想化された女性像でもあって、そこに同性として反発を覚える女性客もいるかもしれないと思えるほどだった」と綴っていた僕としては、「どこかこっぱずかしい親ゴコロにあふれ過ぎ」との率直な弁にニンマリしながら、“「花」が考えさせてくれた2つのこと”とお書きのところに大いに共感を覚えました。僕もまさにそこのところに言及してるのですが、やはり本作の核心部分だろうと思います。

 こっぱずかしさを覚えるくらい「今年1番ぐらいに気に入ったな〜と思った」作品というところにニンマリさせていただきました。

 どうもありがとうございました。

えいさん、ありがとうございました!
実は私も、その様子を見て身につまされたんです。
自分でも改めようと思って書きました(^◇^;)

>「○○しなさい」という言い方はしてないですよね。


子どもたちの自主性を尊重して、強制するでもなく

「おねがい」で考えさせる、答えを自ら出ささせる。 

そして、答えを出してくれたら、それを受け止めて「ありがとう」。<


なるほど。
目を覚まさせられました。
ありがとう。
(あっ、私は人の親ではないですが…)

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