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2012年8月 4日 (土)

『トガニ 幼き瞳の告発』からの触発

Photo

トガニ 幼き瞳の告発

★★★★★


子どもたちの声なき声に
怒りの涙があふれる


映画は、エンターテイメントであるとは思います。

ドキドキ、わくわく、楽しく、時間を忘れて異世界に行くのもまた一興。


しかし、この映画はそういう作品ではありません。

韓国の聴覚障害者学校で、実際に起こった児童虐待事件をもとにした小説の映画化で

衝撃を通り越した事実を、広く、より多くの人に
知ってもらうための手段として映画化されたという作品なんです。


主人公の美術教師イノを演じたコン・ユが、
兵役中に原作の小説を読み、自ら企画を持ち込んだそうです。

『あなたの初恋探します』やTVドラマ「コーヒープリンス1号店」など
そういう路線で人気者になったのならば、

ふつうは、こうした、下手するとマイナスイメージになりかねない
シリアスな実話モノは敬遠するものだろうと思います。

それでも、「こ、これは!」と思って映画化に向けて動いた
コン・ユをはじめ、
ファン・ドンヒョク監督、原作のコン・ジヨン氏、スタッフ・キャスト陣、

そして、しんどい役を演じた子どもたちに、拍手を送りたいです。

2005年に暴行事件が明るみに出ても、学校は存続、加害者は処罰を受けず、
教壇に立ち続けていたのですが、

2009年に小説が出版され、
2011年に映画が公開されると、SNSからの口コミで大ヒット。

世論がマスコミを動かし、

警察の再捜査がはじまり、

ついには大統領も鑑賞し、法の整備がされることになり(その名も「トガニ法」)

つい先日、2012年の7月5日には、加害者に実刑判決が下ることになりました。

映画の中盤以降、法廷で真実が暴かれていくたびに

本当に、彼らの瞳が痛いです。
こちらにもズシズシ刺さってきます。

重たく、苦しい、怒りの涙があふれます。

たとえ聞こえていても、話すことができても、
彼らに耳を貸そうとしないし、「どうしたの?」と声をかけない人はいます。

立ち向かうべき最大の障がいというか、最大の敵は、
無関心であることだと、思い知らされます。

それを見逃すことはできないとして、何とかしたいと思った人たち。

この映画は、やがて児童虐待への懲罰を強化する「トガニ法」の成立へと、
社会や国家をも動かしていきました。

それは間違いのないこと。ものすごい映画です。

日本でも、千葉県の恩寵園はじめ、似たような事件はいくつも起きています。

また、今夏、私たちが目の当たりにした
「いじめ」という名を着た暴力や尊厳を奪う行為、

学校や教育委員会というものの閉鎖性と、大人の保身を鑑みても、

日本でだって新法ができても、おかしくない現状でしょう。

今、幸いにも教育にかかわるお仕事をやらせていただいています。

その場で自分は何ができるか、真摯に向き合うことに背中を押されているところです。

劇場が口コミで増えていかないかな…。

トガニ 幼き瞳の告発@ぴあ映画生活

トガニ 幼き瞳の告発 - goo 映画


↓原作本の訳者は蓮池 薫さん


↓これもコン・ジヨン氏の小説が原作だった


↓邦画では、これが一番近いにおいがするような…(たぶんそう思うのは私だけ)

・Twitterでも時々つぶやいています @uereiy twilog
・試写会や来日記者会見の感想もちらほら。
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