『鍵泥棒のメソッド』の心を奪うメソッド
★★★★★
ときに、まっすぐな生真面目さほど喜劇になる
『アフタースクール』→『運命じゃない人』の
順に観て、
大っ好きになりました、内田けんじ監督。
記憶喪失になってしまった非情な殺し屋と、
うだつの上がらない貧乏役者の人生が
ふとしたことから入れ替わってしまう、という
(しかも今年、別の作品でも注目の銭湯にて!)
トリッキーなサスペンス・コメディかと思いきや、
いや、いや、実は、○○がちょっぴり苦手な
イマドキの若者たちと大人たちと
「草食系」や「お1人様」が流行る時代に向けた
まるで応援歌のような○○ストーリーだったとは!
できれば、基本ネタバレしたくない感じです。
出演は、堺雅人さん、香川照之さん。
伝説ともいわれる殺し屋と
売れない役者が入れ替わる!?
どっちが、どっちになるんでしょう。
どっちの、どっちが本物なんでしょう。
それだけでハラハラしておりますと、
ものの5分で笑わされてしまいます。
2時間を超える大作のそのほとんどが原作ものという
昨今の邦画のなかで(あ、これも128分…)、
内田監督の練りに練られたオリジナル脚本に
楽しく踊らされているかのような、ご両人はさすがです。
広末涼子さんの“笑わない”コメディエンヌぶりも見事。
あんまり怖くない、やくざの荒川良々さんもすばらしいし、
いつもは“前半”のままの森口瑤子さんの変貌ぶりったら。
それらすべてが
それぞれの役柄や、役者そのものに対するイメージや固定観念、既成概念を見事なまでにぬぐいさり、
こちらを圧倒しながら、
もっともっと柔軟にものごとを見ようよ
もっよもっと解きほぐしていこうよ
ということをオススメしてくれるんです。
ああ、なんという、魅力的な○○讃歌なんでしょう!
どうぞ、どうぞ、キュイン、キュインいわせてほしいと思います。
エンドロールで流れる吉井和哉さんの主題歌も
余韻にひたっている間には必要不可欠でした。
やっぱり、エンドロール+主題歌って大事だな、と確信させてくれました。
だから、皆さん、暗くなっても席は立たぬよう。
何となく、ちょっと堺さんパート、物足りないなぁとも思ったりするのですが、
いいのか、結局持ってくから!
・Twitterでも時々つぶやいています @uereiy twilog
・試写会や来日記者会見の感想もちらほら。
Facebookページにも「いいね!」をいただけるとうれしいですm(_ _)m
Healing & Holistic 映画生活
« 『夢売るふたり』が夢見たもの | トップページ | 『わたしたちの宣戦布告』やがて勝利宣言 »
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 『鍵泥棒のメソッド』の心を奪うメソッド:
» 『鍵泥棒のメソッド』感想まとめ [2ちゃんねるコメントNEWS]
解説: 『アフタースクール』の内田けんじが監督を担当した、さまざまな要素が詰め込まれた予測不能の娯楽作。ひょんなことから人生が逆転してしまった2人の男性を巻き込んだ物語の成り行きを、笑いとサスペンスを交えて描き切る。情けない主人公を演じるのは『ジェネラル・ルージュの凱旋』の堺雅人。そして『劔岳 点の記』などの香川照之が、記憶をなくす前と後でまったくの別人に変身する男を怪演する。彼らが真剣勝負で挑む人生を懸けた戦いに胸が躍る。... [続きを読む]
» 『鍵泥棒のメソッド』 失くしたのは銭湯の鍵じゃない [映画のブログ]
2010年、映画ファンが投票した「2000年~2009年の映画の中からもう一度観たい映画」の第一位に輝いたのが、内田けんじ監督の劇場デビュー作『運命じゃない人』だ。
池袋の名画座・新文芸坐が、観客に呼び...... [続きを読む]
» 「鍵泥棒のメソッド」:期待が大きかったので・・・ [大江戸時夫の東京温度]
映画『鍵泥棒のメソッド』は、『運命じゃない人』『アフタースクール』に続く内田けん [続きを読む]
» 『鍵泥棒のメソッド』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「鍵泥棒のメソッド」□監督・脚本 内田けんじ□キャスト 堺 雅人、香川照之、広末涼子、荒川良々、森口瑤子■鑑賞日 9月22日(土)■劇場 チネチッタ■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)<感想> ひょんなことで人間が入れ替...... [続きを読む]
» 「鍵泥棒のメソッド」 恋のメソッド・アクティング [はらやんの映画徒然草]
ようやく観てきました、内田けんじ監督の新作「鍵泥棒のメソッド」。 前作の「アフタ [続きを読む]
» 鍵泥棒のメソッド(2012-121) [単館系]
鍵泥棒のメソッド MOVIXさいたま
35歳にして定職もなく、売れない役者稼業にもほとほと嫌気がさした桜井(堺雅人)は
自殺にまで失敗してしまう。
その後、出掛けた銭湯で見るからに勝ち組男のコンドウ(...... [続きを読む]
uereiさん、こんにちは!
内田監督はいいですよね〜。
けっこう複雑なことしているのですが、脚本が巧みだからかそれほど観ていてもストレスがない。
これってけっこうすごいです。
堺さん、主役なんですれど、実際は脇のほうが立っていたりするのは、内田さんの特徴ですかね。
「アフタースクール」のときは堺さんが出番少ない割においしかったですからね〜。
投稿: はらやん | 2012年10月20日 (土) 07時46分
なるさま
コメントありがとうございました!
ホントに内田監督作品はおもしろいですよね〜。ふだん邦画を見ない方こそ、入り口としてぜひ見てほしいと私も思います(o^-^o)
投稿: uerei | 2012年10月 5日 (金) 20時34分
こんにちは!
映画のブログを読みながら、この映画の面白さがまたよみがえってきました^^
いやー、本当に、本当に面白かったですね!
私もすっかり内田監督のファンです。彼の作る映画をこれからも
どんどん観たいですねー。
邦画なんてーとか言っちゃってる人にも是非是非観て欲しい映画です^^
投稿: なる | 2012年10月 1日 (月) 10時12分