こんなに危うい!?『危険なメソッド』
★★★
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★★★
★★★★
ごはんがおいしいのは
あなたと一緒に食べるから
食べるラー油の元祖といわれる、「石垣島ラー油」を生み出した
石垣島で食堂を営む辺銀(ぺんぎん)夫婦の半生を映画化。
女優として、個人的に大注目の小池栄子さんと、
中国の人気俳優、ワン・チュアンイーさんが夫婦役。
画面からもよーく伝わる、小池さんのでっかい空のような明るさと、
青く澄んだ海のようなさわやかさと
人間的な懐の大きさみたいなものが役柄にぴったりでした。
当たり前ですが、映画にはいろんなタイプがありまして。
ほろりとさせるヒューマンコメディ、
ハラハラ、ドキドキの爽快なアクションもの、
立ち上がれないほどの衝撃作もあったり、
いやぁ、おもしろかったね〜で終われる、ただただ楽しい作品もあります。
こちらの『ペンギン夫婦の作りかた』は、まちがいなく
誰が最初に言い出したのか、「ほっこりする」という言葉がぴったり。
じわん、と温かい気持ちになって、
おなかがすく(!)という映画
今日は家族と何食べよう、と思いを巡らせてくれる映画でした。
★★★★★
機能不全の日本社会
2011年3月11日に起きた東日本大震災と福島第一原発事故によって、
着の身、着のまま故郷を追われ、埼玉県内の廃校(県立旧騎栖高校)に
町の機能ごと避難した双葉町の方々を追ったドキュメンタリー。
でも、過去形ではありません。
1年半過ぎた今もなお、行くあてなく、先立つものの目途もなく、
いまだこの避難所で暮らしている町民の方々がいるのです。
舩橋淳監督が、避難所に足繁く通い、1人1人の町民の方々に寄り添い、
距離を少しずつ縮めていって撮影したこのドキュメンタリーは、
2月のベルリン国際映画祭で「NUCLEAR NATION」としてプレミア上映され、
脱原発にシフトした現地ドイツはじめ、海外からの高い評価を受けています。
ニューヨークやロスなどアメリカでも配給が決まっているそうです。
ドキュメンタリーの間じゅう、終始、心に渦巻いていたのは、
家系、歴史、風土、現在、過去、未来…
何もかもを台無しにしてしまって、ごめんなさい。
事故が起きるまで、無知で、無関心でいて、ごめんなさい。
そう、私も加害者の1人であり、当事者の1人であることを
改めて思い起こさせてもらったんです。
恥ずかしいかぎりです…。
このPCを動かしている電気は、どこから来るのか。
そのスマホを充電する電気は、どうやって作られたのか。
明日のごはんを炊く電気のために、誰が犠牲になっているのかを。
その電気はどこで、どうやって作られ、誰の犠牲の上に立って
思い浮かべてほしいんです。
忘れてはならん、無自覚ではならんのです。
★★★★★
希望の国。それは
描くもの、つなぐもの、思い続けるもの
今から数年後の日本、ふたたび大地震が起き
“長島県”で、原発事故が発生。
とある酪農家の一家は、老夫婦は原発20㎞圏内の内側に残り、
若夫婦は避難し、離ればなれとなる
というストーリー。
鬼才といわれる園子温監督が、今なお続く原発問題に
真っ向から斬り込んでいます。
前作『ヒミズ』でも震災が盛り込まれていましたし
原発事故以後、ドキュメンタリーは数多く作られていますが
フィクションでこうも真っ向なのはおそらく初めてとなります。
Twitterをやっていたり、東京(中日)新聞を購読している方なら
どこかで目にしたようなエピソードをいたるところで再確認できるかと思います。
もちろん、初めて目にするような光景も。ドキュメンタリーを観ているような印象を持ったりもしました。
監督が、足で集めてきた結果なのだろうと思います。
「福島の時のこと、覚えてるだろ」
何度か、そのセリフが出てきます。
映画を見終わって、まず思ったのは、
希望の国、というタイトルの意味。
希望の国って、どこにあるんだろうか
このタイトルは、なんて皮肉で、逆説的なんだろうか
いったいどういうことなんだろうか
今や、復興予算の使途をみても、
もはや希望すら持てない国で、どうして?
そう思いながらも、
この命題は、大きい、ということに思い至ります。
こうであってはならないと
心の中には抱えている
“希望”を持って、持ち合って、分かち合って
これからつくっていこう、ということですよね、一歩、一歩。
おそらく。たぶん。
実は個人的に、この映画で一番ショックというか、悔しいと思ったのは、
日本=イギリス=台湾の合作であること でした。
海外での監督の評価を考えれば、当たり前かもしれなかったし、
喜ばしいことではあるのですが、
こういう映画を、日本の資本だけで撮ることが難しい、ということこそ、
根底にある問題そのものなんだろうと思うのです。
『冷たい熱帯魚』や『愛のむき出し』をあれほど評価していながら、
次は原発がテーマだとわかったら、みんないなくなったと
だったかでプロデューサーさんがおっしゃっていました。
クサイものにはふたをしろ なのです。
★★★★
生者と死者と思いをつなぐ
ファンタジック・ストーリー
直木賞作家・辻村深月の原作を映画化。
これは当て書きか⁈と思うほど、
都会的でクールなルックスでありながら、どこか朴訥で誠実な印象を持ち、
時に、年上に対しても「甘えんなよ」と熱く諭すことのできる高校生・歩美を演じられるのは、今、ギリギリ桃李くんしかいないんじゃないかと思います。
(この「ギリギリ」は年齢的に、という意味で)
もちろん、ちょっと不思議な雰囲気を持つ、おばあさんを演じたら
もはや右に出る者はいない、樹木希林さんはいうまでもないハマリ役。
遠藤憲一、八千草薫といったベテラン勢は抜群の安定感。
プラス橋本愛、大野いと、桐谷美玲といった若手の女子たちの熱演により
予告を観た感じや、事前に描いてしまったイメージで
斜に構えていたところをいい意味でくつがえされました。
意外にも、いい映画だったな、と思っています。
★★★★
何のため、だれのために生きるのか。
もう一度、思い起こさせる闘い
これぞ正真正銘の“全米大ヒット!”
さらに米Amazonでは、原作本3部作の売上げが
ハリポタ全巻分を上回るという大人気。
青春恋愛映画と相成っています。
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