こんなに危うい!?『危険なメソッド』
★★★
2大心理学者の決別の裏に
こんなにも激しい運命の
1人の女性の存在があったなんて
心理学の2大大家(たいか)であるフロイトと、その弟子ユングを、
それぞれヴィゴ・モーテンセンと、マイケル・ファスベンダーが演じ
その2人の間を行き来し、ユングの愛人でもあった女性ザビーナを
キーラ・ナイトレイが演じる
しかも、
監督はデヴィッド・クローネンバーグということで
かなり期待して観ました。
うーん、でも、何だかうまく表現できないです。
心理学を学んだ端くれのくせに、
フロイトとユングの喧喧囂囂(けんけんごうごう)って、
実際あんな感じだったのかしら…
と萌えてみたりとか、
キーラ・ナイトレイの体当たり演技に
ただ、おののくばかりだったりとか、
もとになった史実に加えて、それぞれのアクターの
“俳優力”みたいなものに見入るしかなかった、という気がしています。
ただ、ユングの夢を分析するところなんかは、
もうちょっとじっくり見たかったような。映像入りで。
2人で13時間も語った内容のその中身をもっと知りたかったような…。
それにしても、マイケル・ファスベンダー演じるユング、
フロイトが提唱した談話療法によって、
患者・ザビーナの性的トラウマの原因はわかったけれども、
ヴァンサン・カッセル演じる精神分析医に惑わされて、
逆にそのトラウマに、生真面目さゆえにとらわれてしまって。
やがて、師からも、愛人からも愛想を尽かされ、
孤独に陥ってしまって。
(確かにユングの神秘主義は、途中からついていけなくなったっけ)
たとえ、精神分析の礎を築いた者であっても
彼は、人の心の複雑さの、矛盾と、その混沌の中に
自ら飲み込まれてしまったのかもしれない、と思うのでした。
それにしても、女性のひざでオイオイむせび泣く
ファスベンダーのユング、ハマるなあ。
一方、その後のザビーナは、医者になり、改めてフロイトに師事し、
ピアサポート的(同じ立場の人によるサポート)に
子どもの精神分析を学び、
やがて祖国ロシアで幼稚園を開いたということですが
彼女にとって新たなる人生となるはずだったのに、
ユダヤ系だったために結局はナチスに殺されてしまって。。。
例えば彼女が、もっと長くその人生をまっとうすることができたなら、
現在の心理学の世界は何か変わっていたかもしれないのかなあ、と
少しだけ思いを馳せたりもました。
とにかく、ザビーナを演じた、
キーラ・ナイトレイが強烈でした。これは間違いありません。
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