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2012年10月19日 (金)

『桃(タオ)さんのしあわせ』で思う、しあわせな介護

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★★★★

最後のときを、
手をつないで過ごせれば
それはしあわせ

この映画は
本作のプロデューサーでもあり、
『レッドクリフ』シリーズの財務面の管理を担当していたという
映画プロデューサー、ロジャー・リーの実体験が
ベースになっています。

桃(タオ)さん、とは、
13歳のときから60年間、4代にわたって、
ロジャーの家に勤めてきた家政婦さん。

しかし、確実に、実母よりもだれよりも、ロジャーにとっての
隣る人”だったのは間違いありませんでした。

桃さんを演じたディニー・イップは、10年ぶりの映画出演にして
昨年のヴェネチア国際映画祭で主演女優賞を受賞、

ロジャー役は、この映画の企画に賛同したアンディ・ラウが
なんとノーギャラで引き受け、
プロデュースも買って出ています。
友情出演で
『インファナル・アフェア』のアンソニー・ウォンや
ツイ・ハーク監督、キンポーのとれたサモ・ハンもいて、
まさにアジアの大スター、ここにありですよ。
中国ではアクション以外の映画としては異例の大ヒットになったそうです。

だって、この映画、
本当にささやかで、静かで、穏やかで、そして
なんて、あったかい。

老いをめぐるテーマは、いまや万国共通だろうかと思いますが
この心の満たされ方は、そうそうない体験でした。

冒頭、2人は何もしゃべりません。

桃さんは黙々と配膳し、
ロジャーは黙々と食べる。

彼の手を出すところに、しっかり茶碗がくるという
何とも気心の知れたコンビぶり。

長年にわたる2人の毎日を想像させてくれます。
ロジャー、独身なのも仕方ないよな、と思ってしまいます。

ところがある日、脳卒中に倒れた桃さん。
左半身麻痺の後遺症(中風)が残り、家政婦の仕事をやめ
養老院へ入ることになります。

日本でいうところの、いわゆる特養、特別養護老人ホーム
+ グループホームみたいな感じでしょうか。
(日本の老人福祉施設の類型は本当ややこしいですね、
いったい誰が考えたんだか。。。
個人的には「老人」というのは取ってもしかるべきと思っています。
いずれ、ほとんどが老人になる社会なのだし)

お世辞にも、清潔で、設備が充実しているとはいえない
殺風景なホームでも
桃さんにとっては、しあわせの場所になっていました。

何よりうれしいのは、
忙しい仕事の合間をぬって、ロジャーが来てくれること。

公園に連れていってくれること。

ロジャーの友達が「また桃さんの料理が食べたい」と言ってくれること。

ホームの仲間に「自慢の息子だね」と言われること。

何より、ロジャーが手をつないでくれること。

家族のだれかが会いに来てくれるのをずっと待っているような方や、
ホームに来るたびに口げんかをしてしまう母と娘がいる一方で、

桃さんはとてもしあわせそうでした。

今まで、好き嫌いの多いロジャーを思って、どれだけの料理を作り
どれだけ尽くしてきたか。
あの茶碗の関係を思えば、
ロジャーの恩返しともいえる献身ぶりには胸を打たれます。

そして、必ず、その時は来る。
それはたいてい、あっけなく訪れるものですが、

ここで「桃さあ〜ん」と男泣きするアンディのシーンなど入れないところが、
たんなる美談にはせずに、
普遍的で凡庸であるのが人の生の終わり、とでも言いたげな
『女人、四十。』のアン・ホイ監督の死生観なのだという気がしています。

最期は在宅か、施設か。

どちらが本人にとってしあわせかという議論も、それはありますが、
“だれがそばにいてくれるのか”ということも
最重要ポイントであろうと思います。

その手、ずっとつないであげれるかな、私は…。

アクションをしない
潜入ヤクザでもない
市井のアンディ・ラウ、本作に対する姿勢も含めて、かっこよかったですね。

『アイアンマン3』に出て欲しかったな。

桃さんのしあわせ@ぴあ映画生活

桃さんのしあわせ - goo 映画

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