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2012年10月22日 (月)

『フタバから遠く離れて』わかる、不条理な国

Photo_2

フタバから遠く離れて

★★★★★

フタバの人々の語りがあぶり出す

機能不全の日本社会


2011年3月11日に起きた東日本大震災と福島第一原発事故によって、

着の身、着のまま故郷を追われ、埼玉県内の廃校(県立旧騎栖高校)に

町の機能ごと避難した双葉町の方々を追ったドキュメンタリー。

でも、過去形ではありません。

1年半過ぎた今もなお、行くあてなく、先立つものの目途もなく、

いまだこの避難所で暮らしている町民の方々がいるのです。

舩橋淳監督が、避難所に足繁く通い、1人1人の町民の方々に寄り添い、

距離を少しずつ縮めていって撮影したこのドキュメンタリーは、

2月のベルリン国際映画祭で「NUCLEAR NATION」としてプレミア上映され、

脱原発にシフトした現地ドイツはじめ、海外からの高い評価を受けています。

ニューヨークやロスなどアメリカでも配給が決まっているそうです。

ドキュメンタリーの間じゅう、終始、心に渦巻いていたのは、

私たちが使う電気のために、あなたたちの故郷、生活、人生、思い出、

家系、歴史、風土、現在、過去、未来…

何もかもを台無しにしてしまって、ごめんなさい。

事故が起きるまで、無知で、無関心でいて、ごめんなさい。

そう、私も加害者の1人であり、当事者の1人であることを

改めて思い起こさせてもらったんです。

恥ずかしいかぎりです…。

このPCを動かしている電気は、どこから来るのか。

そのスマホを充電する電気は、どうやって作られたのか。

明日のごはんを炊く電気のために、誰が犠牲になっているのかを。

どうか、何かのスイッチをオンにするたびに、

その電気はどこで、どうやって作られ、誰の犠牲の上に立って

私たちのもとにやってきているのか、

思い浮かべてほしいんです。

忘れてはならん、無自覚ではならんのです。



日本の原発政策、ひいては
日本型民主主義のなれの果て

避難所で暮らす双葉町の方々は、地震と津波だけでなく、
原発事故という人災の被災者であることを、

便利さの恩恵を数十年にわたって受けてきた私たちは、
今度こそ自覚する必要があると思うのです。

多くの津波の被災地と、双葉町とはまた違う、と改めて思います。

やっかいなのは、放射能は目に見えないこと。

見えない被災、見えない被災者、見えない被災地。

こうして、見えないからこそ、他人ごとになってしまいかねない。

町の方たちの、いくつかのセリフが頭にこびりついています。

野外の喫煙所でだべる、おばちゃんたち。

自分たちは天災と人災、両方の被害者なのだ。
復興どころじゃないのだという、あきらめにも似た憤り。

「(マスコミが入れる被災地ばかりが取りあげられて)残酷だ。

うちらは見てもらえない。
まあ、(現地に取材に)入れないんだから仕方ねえんだけど…」。

夏、一時帰宅をする際の、ある親子。

土台だけが残った、かつてわが家のあった場所、
お母さんが亡くなった場所にお線香をあげようとするお父さん。
つい、その辺の石ころか何かに手が触れてしまいそうになると、
「何も触んなって!」語気を強めて、息子が言います。

悲しみにひたる間もない。

目にしたもののショックと、2時間しかいられないという焦り、
もうここには何もないという喪失感。

また、あるご家族。

一時帰宅では1家族2名までと決まっています。

久しぶりに帰るわが家から、持ってきてもらいたいものを

めいめいに挙げていきます。

小学生の男の子が持ってきて欲しいのは、ベイブレード(コマのおもちゃ)やWiiのカセット、地球儀…。
高校生のお姉ちゃんは、大切な卒業アルバム…。
おばあちゃんは、思い出の花柄のブラウス。
おじいちゃんは、ハリウッド映画のDVDコレクション。

改めて、何も持たずに町を出てきたこと。思い出、宝物をすべて置いてきたこと。

もう2度と取り戻すことができない、かつての日常を思い、
ここで涙が止まらなくなってしまいました。

このドキュメンタリーは、『希望の国』とともに風穴を開けるかもしれません。
そうなってほしいと思います。

例えば『希望の国』が、今この時の世情を切り取る、
現在を見すえる劇映画ならば、
こちらは、先の見えない時間軸・空間軸から見た問題点を、
これからの未来にどうあるべきかをあぶり出した映画といってもいいでしょう。

だって、ここに映し出されているのは、
原子力ムラの行く末、日本という国家のもろさ
もはや民主主義も、憲法で守られているはずの人権も、
国が国民を守る、という機能がこうも不全に陥っているありさま。

さらには、沖縄の基地問題にも共通する“犠牲を地方に強いるシステム”についても、私たちは、しっかと目の当たりにするのです。

原発の立地する自治体すべて、

そこで作られる電気を謳歌している人たちすべてに、

つまり、日本じゅうの人たちに見てもらいたい1本です。

↓劇場公開に合わせた書き下ろし。
映画を補完でき、監督の考えをいっそう知ることができます。

↓私にある命題は同じです。
・試写会や来日記者会見の感想もちらほら。
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コメント

まてぃさん、『おだやかな日常』観られたんですね。私も近日中に行きます。
本当そうですね。非力ながら、自分のやり方で声を上げていきたいと思います。

TBありがとうございました。
先週末に『おだやかな日常』を観ました。
この映画もまた原発事故について考えさせられる映画でした。
しっかりと見続けて、声を出していくことが必要ですね。

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