『任侠ヘルパー』の肝心な部分

任侠ヘルパー

★★★

草彅剛主演のテレビドラマ・シリーズをちょっと趣向を考えて、映画化です。

今度は、とある海辺の町が舞台。

かつては、観光と漁業で潤ったような町。何だか見覚えがあります。

縁あってこの町にやってきた彦一が、またもや

介護ヘルパーをすることに。

高齢者相手に闇金ビジネスをする

やくざたちの1人になっていく一方で、

老朽化し、営業もしていない観光ホテルを改造して、老人介護施設に変え

「観光福祉都市」の実現を公約にする、市議会議員で

弁護士の八代（香川照之、ここにも）もいます。

とにかく箱物から、という発想。

その熱い思いはわかるんだけれども、

果たして、その実態は…。

「認知症の人と家族の会」の協力を受けただけあり、

多少のデフォルメはあるにしても、

実態が、ここにはあると思いました。

生活保護・年金詐欺、老老介護に認認介護（介護する側も認知症）、

虐待、圧倒的に不足するマンパワーと設備

後手後手の行政の対応……。

数え上げたらキリがありません。

認知症だからって、何にもできないわけじゃない、ということは

『毎日がアルツハイマー』などでも触れられていますし、

もっと周知されていいことだと思うんです。

できることは、あるんです。

気持ちや考えが、あるんです。

行動には、理由があるんです。

何より、生きているのだから、尊厳を持っていたいんです。

でも、1人ではできない部分も、自己決定できない部分もあるから、

物理的、精神的、社会的サポートが不可欠なんです。

若い子たちにもこういうのはどんどん、どんどん見てもらって

いいと思います。

これがもう、日本だから。

何年後かの、親や自分の姿だから。

どんな世代もひっくるめて

社会全体で自覚していくためのいい機会になる映画かも知れません。

そういう意味で、おすすめです。

特に、エンドロール。

LOVE PSYCHEDELICOが流れる中でのエンドロール。

あの光景を私たちはこれからどうするのか、ということを

改めて突きつけられたと思うのです。

任侠ヘルパー - goo 映画

・任侠ヘルパー＠ぴあ映画生活

↓自分ができることをすることで、ふたたび輝き出す。その瞬間はここにもあります。

↓老いた親と向き合うことは、イコール自分自身に向き合うこと、なのかも。

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・試写会や来日記者会見の感想もちらほら。

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