★★★★
鈴木チルドレンが学校から世界を変えていく
おかえりなさい、鈴木先生!
2011年の最低平均視聴率ドラマでありながらの映画化。
あっぱれ!待ってました!
最初は誰に言われたのか。Twitterだったかもしれません。
テレ東でやってる「鈴木先生」というドラマがおもしろいって。
実際、観てみると
ほーー、なるほど、本当に。こんな先生はそういないかも。
妄想は飛んじゃってるしw、話もぶっ飛んでるけど。
でも、ものすごく子どもたちのことを観察してる。
洞察してる。
考えている。
問題提起性も半端ない。
実際の中学の先生は、学校行事や部活などもあって
もっと忙しいと思うので、
これほどまでに子どもたちに向き合うのは
現実的ではないのかもしれないですけれど、
鈴木先生の教育理論<鈴木メソッド>や
それに基づく実験の数々は、すごく好きです。共感しています。
今回の劇場版では、妊娠中の恋人・麻美さんと結婚。
病欠していた天敵・足子先生も復活。
(足子先生の立ち直り方法がまたものすごく…)
2学期になり、生徒たちがのぞむ生徒会選挙。
折しも、そのさなかに、
卒業生の1人が学校に立てこもり、
鈴木先生のお気に入りの小川さんを人質にとる事件が発生してしまいます。
さて、どうする、鈴木先生!?
ちょっとまあ、ストーリー的に強引な面がありますけれど、
鈴木先生だから(?)許せます。何でも来いっ!
教育という字は、
教え、育(はぐく)むと書きますが
教えられ、育まれるのは果たして子どもたちだけなのでしょうか。
教師も、親もまた、
子どもたちによって多々教えられ、
育てられていることを忘れてはならないと思うんです。
わが目を疑う、あの選挙を目の当たりにした後で
子どもたちの語る言葉が、わが身に突き刺さります。
日本社会がかかえる根本的な問題を浮き彫りにしているように思います。
学校は、社会の縮図ですね、本当に。
鈴木先生が気にしてくれている
一見普通で目立たなく、手の掛からない子たち。
「いい子」と呼ばれる子たち。
だのに、学校という場を出たら、居場所がない。
私は、社会が求めてきた合理性や、効率性、経済性
私たち大人の傲慢さや、怠慢さ、臆病さなど が
いつの間にか
イソップ童話の「ウサギとカメ」の
ウサギ的な生き方だけをよし、とする
風潮を生み出しているような気がしてなりません。
愚直に、1つのことに黙々と打ち込むカメには
どうにも生きづらい社会…。
自分のペースで歩を進める、要領がいいとはいえない
カメを、待ってはくれない社会…。
未来を生きる子どもたちへ。
就活失敗による自殺をはじめ、
未来を生きる子どもたちに対して
決して望ましいビジョンではありません。
うちの子も、はっきりいってカメのほうです。
でも、例えば現在の学校の評価では
わかりやすい特技、学力、キャラクター、能力を
持っている“ウサギ”的な子どもには、道は開かれやすいのですが、
カメのなかなか表に出てこない面、一見わかりにくい部分というのは
ちゃんと見てもらいにくいのです。
だれでも世界の1つの花であるのに、
オンリー1に目を向けて、教え、育んでいくことが
困難な学校や社会であるというのならば、
私たちは猛省し、考え方・生き方を根っこから変える必要があるのではないか
特に2011年3月11日以降、
その考えはいっそう強まっています。
私が、鈴木先生を大好きなのは
カメの子も実はすごいことを考え、すごいものを持っているはず、
すごいことをやらかすはず、という信頼と期待を、
子どもたちに対して絶えず向けてくれているからなのです。
例えば「ほこ×たて」で取り上げられるドリルなんかも
カメだったからこそ、生まれたんじゃないかと思うのです。
最後に、
足子先生、いいよ!
先生なりに生徒たちを愛してんだよね!
映画 鈴木先生 - goo 映画
↓学園ものは生徒たちの濃さもポイント。『告白』の2人もいますもの。

↓足子先生、『先生を流産させる会』の先生のようだった。
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