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2013年3月に作成された記事

2013年3月29日 (金)

『パラノーマン ブライス・ホローの謎』は大事なもの!

Photo

★★★★


少年たちと町
を追う冒険は

驚異のストップモーションで楽しみましょ


『コララインとボタンの魔女』製作のライカ社による
驚異の3Dストップモーション・アニメ!

これはもう感動モノ!すばらしい!
その手間、時間、細やかさ、アイテム数の多さに
いちいちびっくり。脱帽。


ストーリーも辛辣で、
これが意外と深い話で、
「恐怖」とは?
人はいったい何を恐れてしまうのか?
とかまで考えたりもしました。

ゾンビ愛もたっぷりです。


300年前、魔女退治が行われたという
伝説が残る町ブライス・ホローに暮らす
ゾンビやホラーが大好き、
なぜか死者と話ができる少年ノーマン。

誰にも理解されないその能力のせいで
家族からはうとまれ、
学校ではいじめられという毎日で…。

主人公ノーマンの声を『モールス』の少年、コディ・スミット=マクフィー、

ノーマンの姉を、アナ・ケンドリック、
いじめっこアルヴィンは、クリストファー・ミンツ=プラッセ
親友の兄ミッチには、ケイシー・アフレック、
ノーマンに町の秘密をたくすおじさんにはジョン・グッドマン と

声優陣がとても豪華なんですよね、
プレスシートには顔写真すらなかったけど。
でも、逆にこの映画はそこをウリにしないってことなんでしょうね。

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2013年3月28日 (木)

『ザ・マスター』どうか私をそそのかさないでください。

Themaster

ザ・マスター THE MASTER



★★★★

がっつり三つどもえの闘い

愛憎のぶつかり合い

すごい話でした。が、嫌いじゃないです。
むしろ好き。


『マグノリア』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の
ポール・トーマス・アンダーソンだもの。

目の付けところが、いつも、ホント特異ですよね。
着眼点と、着地点が。尊敬しますけど。

ある程度、覚悟して観ましたが、なかなかでした。

第2次世界大戦後、アルコールに依存する帰還兵と、
ある新興宗教団体の教祖との出会い。

教祖に魅了される帰還兵、ホアキン・フェニックス VS 
絶対的なカリスマ、フィリップ・シーモア・ホフマン、
そこに教祖の妻、エイミー・アダムスが絡む。
これは愛憎の闘いですよ。ぶつかり合いですよ。

こりゃ、3人ともノミネートされるわけです、と納得。



人はああやって、“こころ”を掌握されていくんですね。


ホアキン・フェニックスも怪演だけれども、
フィリップ・シーモア・ホフマンも恐ろしいやら、情けないやら(!?)。
でも、1番恐ろしいのは……。
むむ〜。

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2013年3月21日 (木)

『メッセンジャー』が伝える見えない犠牲

Photo

メッセンジャー (2009年製作)

★★★☆☆

彼らが伝えるのは

消えることのない悲嘆のはじまり


イラク戦争開戦から10年にあたる今週にぜひとも観ておきたい1本でした。

もし、主人公の上司役ウディ・ハレルソンが

第82回アカデミー賞助演男優賞・脚本賞にノミネートされていなかったら、

第59回ベルリン国際映画祭の脚本賞&平和賞でなかったら、

DVDスルーだったかもしれない珠玉の作品。

82回のアカデミーといえば『ハートロッカー』が席巻した年でもありますが

これは、イラク戦争のみならず、

戦争の“傷跡”や“犠牲”を語る映画として、また1つ
エポック的な作品になるんじゃないかな、と考えています。


このメッセンジャー、何を伝える役目があるのかというと、

戦地に行った子や夫の帰りをまちわびている家族の自宅まで出向いていき
その兵士の戦死について第一報を、
親や、妻という、そのもっとも近しい近親者に対して
伝えることなのでした。

“負傷しながらも仲間を救った英雄”として帰還したウィル(ベン・フォスター)は

その過酷なミッションに向き合うことが、
グリーフワークの扉を開けることになったのでした。


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2013年3月20日 (水)

『クラウド アトラス』つながるとは、こういうことだ。

Cloudatlas

クラウド アトラス CLOUD ATLAS

★★★★4.8

 

時代は、めぐりめぐる
人類の善意がつなげる

映像化不可能といわれた、2004年に発表された

デヴィッド・ミッチェルの小説『クラウドアトラス』を映画化。

彼はまだ40代なんですね。すごいな。

そして、映像化不可能とやらも何のその

ものの見事にそれを実現してしまったのは、

『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー姉弟と
『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァ。
いや、これもまた、さすがです。


『マトリックス』ほどの映像革命ではないにしろ、
ネオソウルなんかの、やや既視感のある、退廃した、
終末的な世界観はやはり好みです。

6つの時代と場所で、6つのエピソードが並行し、
知らずしらずのうちに交錯していく3時間弱の物語で

6本のストーリーを、合計13人・64役もの
豪華キャスト陣が特殊メイクをしたり、何ともさりげなくいたりして
相当入り組んでいるにもかかわらず、特に混乱もなく観ることができました。

編集が、見事なんですね。
3人の監督が着地点をわかっててやっているところが。


そんな『クラウド アトラス』
とても“社会学的な映画だったと思います。

こうして人は、つながっているというのを、
目の当たりにすることになりました。

私は、好きだ。


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2013年3月13日 (水)

『おだやかな日常』を、ただ取り戻したいだけ。

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おだやかな日常 ODAYAKA

★★★★☆


少しもおだやかでない

原発事故後の日常を描く

 

英語字幕が入る、日本映画です。
日本という国(の国民性や危機管理のあり方)を知ってもらうための
世界に向けてのもの、でもあるのです。

物語はあの、耳をつんざく緊急地震速報の警告音から始まりますが、

描かれている日常は、まったくもっておだやかなものではありません。

2011年3月11日の東日本大震災と、その直後に起こった
東京電力福島第1原子力発電所の事故の後の日常は、
リアルでも、まったくもって、おだやかではありませんが

だれでも「おだやかな日常」を目指しているんだ、
そこを目指してるからこそ、
日々奮闘しているんだ、ということを
改めて気づかせてくれる映画ではありました。

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2013年3月 9日 (土)

『愛、アムール』は、究極の愛なのですか?

Amuru

愛、アムール Amour

★★★★★

ともに生きる。ともに老いる。
これは究極の愛なのですか

先日の第85回アカデミー賞では外国語映画賞を受賞。

主演のエマニュエル・リヴァは主演女優賞ノミネート。
授賞式でも、とてもすてきでした。

監督・脚本はミニャエル・ハネケ。

この人の映画は本当にひきづります。後ろ髪ひかれるなんて、もんじゃない。
救いもない…。かなりクセと毒がありますよね。
とくに『ファニーゲーム』はトラウマに近い…。

今回、とても普遍な、老老介護をテーマにした
この作品もまた引きずりました〜〜〜。

本当に、そこかしこで起きていることでした。
近所のマンションでも以前起きていたことでした。

いつもそうしたニュースを見聞きするたびに

老老介護という、2人だけの世界に、
もう少し外からの介入があったならと思わずにはいられないのですが、

この映画の場合は、
主人公のアンヌ(エマニュエル・リヴァ)も、
夫のジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)も
それをけして許さなかったでしょうね・・・。

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2013年3月 8日 (金)

『遺体 明日への十日間』を観る意義、撮る意義

Photo

遺体 明日への十日間

人間としての尊厳を取り戻し

家族のもとに帰ること



あらすじなど、詳しくは公式サイトでどうぞ。

原作を号泣しながらやっとのことで読み、試写会で映画を拝見して、

こちらの記事も読んで、思ったことをつらつら書いております。





「自分は観ることはできないけれど、

撮ってくれてありがとう」と、被災者の方はいいます。

でも、自分にはつらすぎる。見られない。
原作のノンフィクションさえ読むこともできない、と。

でも、あのとき、


自分や、自分の家族のことをさておいて、
安置所や遺体救助の仕事を一心にしてくれた方々がいるから、
「ご遺体」は無事に家に帰ることができ、

心を救われた方たちが大勢いる。
心が少しでも軽くなった方たちがいる。

そのことは、とても大事にしていたい。

敬意を持って、これからもずっと大事にしてきたいことではあります。


これは、必要な映画であろうとは思います。

撮る意義のあった映画であろうと、思います。

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2013年3月 7日 (木)

『メモリーズ・コーナー』忘れないで、ほしいから。

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メモリーズ・コーナー

★★★☆☆3.5


きっと、忘れません。

あなたの思いを受けとります

阪神・淡路大震災の15周年記念式典の取材のため、
神戸にやってきたフランス人記者アダ(デボラ・フランソワ)の目を通じて、

人々が、街が、今なおとどめている傷を描き出す“フランス映画”。

1月17日生まれのオドレイ・フーシェ監督は、

この震災の数年後、母親の知人の日本人が「孤独死」を
遂げてしまったことがきっかけとなって
この映画を撮ることを決めたそうです。

高層マンション、整備された公園…
街並みは一見、復興を遂げたかのように見えても

あの、大きな、大きな喪失感は、
今なお、癒えることはないということを静かに伝えてくれていました。

アダの通訳、岡部役には西島秀俊。
フランス語を完ぺきマスターしたらしく
かなり流ちょうだったと思います。すばらしい。

アダさんとフランス語でたこ焼き食べたりする姿には萌え…
いえ、失礼しました。

そして、アダさんが岡部や市のボランティアとともに訪ねる
かつて長田区に暮らしていた石田という謎めいた男を
阿部寛が演じます。

アダさんと話すときには、英語でした。

2人とも、すっかり、さすがの国際派ですね。

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2013年3月 6日 (水)

『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』は、あるがまま。

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すーちゃん まいちゃん さわ子さん

★★★


あるがままに。そのままに。


原作4コマのほのぼのさからは、
あまり想像つかない、

むしろ、どちらかといえば似合わない!? (すみません)

柴咲コウ=すーちゃん、真木よう子=まいちゃん、さわ子さん=寺島しのぶ と

なかなか気の強そうな女優たち3人で送る、

“現代女性“への応援歌といったところでしょうか。


しかし、原作をご存じの方、ちょっと読んでみた方はおわかりかと思いますが、

実はこのすーちゃんたち、けっこう辛辣で、真実を語ります。


だから、もしかしてぴったりの配役だったのかもしれない!

と思っています。


そう、この中には女性たちの本音と“毒
がいっぱい。



すーちゃんたちを見ていると、

わかる、わかるとうなづくこともあれば

うわっ、そんなこと、言っちゃってよかったの、とびっくりしたり、

ちょっと、そんな平気そうな素振りなんて、しなくていいのに、と心配したり。

友達かっ と自分にツッコミたくなりました。




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2013年3月 3日 (日)

『フライト』変えるべきもの、変えられないもの

Flight

フライト  FLIGHT

★★★★


彼はヒーローでも、犯罪者でもない

自分を保つ手段を誤っただけ

 

予告編や事前情報から想像していた話と
ちょっと違いました、映画『フライト』。

ネタバレをなるべくしないようにしたいと思いますが

タイトルは「ニーバーの祈り」という
アルコール依存症の克服の会などで必ず唱えられている
祈りの言葉の1節からとっています。

劇中にも、ほんのちらっと使われてあります。
この映画は、彼が飛行機は墜落した理由を謎解きする映画でもなければ、
ヒーローか犯罪者か、誰かに仕組まれたのかというサスペンスでもなく、
ずっしり、どっぷりの依存症の話だということは
語らずにはいられないでしょう。

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