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2013年3月20日 (水)

『クラウド アトラス』つながるとは、こういうことだ。

Cloudatlas

クラウド アトラス CLOUD ATLAS

★★★★4.8

 

時代は、めぐりめぐる
人類の善意がつなげる

映像化不可能といわれた、2004年に発表された

デヴィッド・ミッチェルの小説『クラウドアトラス』を映画化。

彼はまだ40代なんですね。すごいな。

そして、映像化不可能とやらも何のその

ものの見事にそれを実現してしまったのは、

『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー姉弟と
『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァ。
いや、これもまた、さすがです。


『マトリックス』ほどの映像革命ではないにしろ、
ネオソウルなんかの、やや既視感のある、退廃した、
終末的な世界観はやはり好みです。

6つの時代と場所で、6つのエピソードが並行し、
知らずしらずのうちに交錯していく3時間弱の物語で

6本のストーリーを、合計13人・64役もの
豪華キャスト陣が特殊メイクをしたり、何ともさりげなくいたりして
相当入り組んでいるにもかかわらず、特に混乱もなく観ることができました。

編集が、見事なんですね。
3人の監督が着地点をわかっててやっているところが。


そんな『クラウド アトラス』
とても“社会学的な映画だったと思います。

こうして人は、つながっているというのを、
目の当たりにすることになりました。

私は、好きだ。


また、
昨今、いえ、これから先もずっと、エネルギー問題や原発は、
もはや人類の物語を語る上では
切り離せないトピックなんだ、と改めて思います。

現実問題として、日常とつながっているんです。
先日、『おだやかな日常』を観て考えていた
「村八分」という言葉が(字幕で)出てきて、驚きました。


日本社会は江戸時代、いえ、もしかしたら遥か稲作の始まりの
コミニュティができだしたころから、
まさにコミュニティ内を相互監視するDNAが染みついているんだ
という思いを強くしていたところだったもので

何という、シンクロニシティ⁈  セレンディピティ⁈
特に、私の心を支配した、クローン(複製種)と人間(純血種)が暮らす
2144年のネオソウルにおいても、それは顕著で、
もはや相互監視や自我の抑圧はそれを意識する間もなく行き過ぎて、
その社会の中では、
異端であることが、致命的であったりする社会なのです。

ですが、ペ・ドゥナが演じた「ソンミ451」のように
異端であることは、進化や進歩の始まりなのかもしれない、と思うわけで。

異端であることは、常に欲望や邪な心とのせめぎ合いなのだ、と思うわけで。

人類が、らせん状を描いて時代を繰り返しているのならば、
さらに上へ上へ、さらに内へ内へと導いていくものは何なのか。

それが革命や変革、進歩、進化というのなら、
いつでも、どこででも、
「それは違うのでは?」と疑問を投げかける、
異端扱いされる者たちの善意や決意が、その先導となるのだと思います。

だれかが、その異端である者、異端であることを認め始めたら、
その思いは未来へとつながることができ、

私たちは初めて進歩、変革できるんじゃないかという気もします。

たとえ、その時代においては理解されなかったとしても。

たとえ、相反する邪の心が自分をおとしめようとしていても。



トム・ハンクスの語りにはじまり、語りで終わるように

つながることは、語ること ではないのかな。

語るからこそ、受け継がれる。つながれる。


過去を知り、現在を感じ、未来に伝えるということは、
そういうことなのかと。

ですが、オールド・ジョージーに、常に耳元でささやかれていては、
語り手の意図や思いや、事実はねじ曲げられてしまうかもしれません。

支配させたいものの力に屈されてしまうかもしれません。
(そうか、そういう意味で、肝はやはりヒューゴ・ウィービングか!?)

語りを受け継ぐためには、人々の善意こそが必要なんです。

物語が必要なんです。


語りにはじまり、語りに終わる。

そこにはカタルシスがありました。

つながるとは、こういうことだ。そう思うことができました。


さらに、愛のつながりに関していえば、
もっとも私が一番それを感じたのは、

メインのトム・ハンクス、ハル・ベリーというアカデミー賞ペアではなく、
フレッシュなジム・スタージェス&ペ・ドゥナだったり、
新生“Q”ことベン・ウィショー&ジェイムズ・ダーシーのほうだったかも。

チラシやポスタービジュアルにはいませんが、
ジム・スタージェスはいい!

来ると思いますよ、これから。
もう来てる? いやいや、もっと来てもいい。




クラウド アトラス@ぴあ映画生活

クラウド アトラス - goo 映画

↓今、たしかラナ・ウォシャウスキーがこんな髪の色していますね。
 
↓こちらは全部、仮定の話ではありますが。。。
↓ジム・スタージェスの魅力にあふれた1本


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