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2013年3月28日 (木)

『ザ・マスター』どうか私をそそのかさないでください。

Themaster

ザ・マスター THE MASTER



★★★★

がっつり三つどもえの闘い

愛憎のぶつかり合い

すごい話でした。が、嫌いじゃないです。
むしろ好き。


『マグノリア』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の
ポール・トーマス・アンダーソンだもの。

目の付けところが、いつも、ホント特異ですよね。
着眼点と、着地点が。尊敬しますけど。

ある程度、覚悟して観ましたが、なかなかでした。

第2次世界大戦後、アルコールに依存する帰還兵と、
ある新興宗教団体の教祖との出会い。

教祖に魅了される帰還兵、ホアキン・フェニックス VS 
絶対的なカリスマ、フィリップ・シーモア・ホフマン、
そこに教祖の妻、エイミー・アダムスが絡む。
これは愛憎の闘いですよ。ぶつかり合いですよ。

こりゃ、3人ともノミネートされるわけです、と納得。



人はああやって、“こころ”を掌握されていくんですね。


ホアキン・フェニックスも怪演だけれども、
フィリップ・シーモア・ホフマンも恐ろしいやら、情けないやら(!?)。
でも、1番恐ろしいのは……。
むむ〜。


最初はね、人差し指で、肩をツンツン程度だったかもしれません。

「私は、おまえが必要だよ」というわけです。

そのツンツンが何度も頻繁になり、度を増し、
時には背中をガツンと拳で殴られたりもして、

「私は、おまえが必要なんだよ」「おまえも、私が必要だろ」

そして、やがては、かしづかずにはいられなくなる……。

それが、何度も何度も部屋を行ったりきたりする、

ホアキン・フェニックスのように、繰り返されるわけです。

まるでそれこそが、自分の宿命と信じているかのように。

ホアキンの演じたフレディは、帰還兵でした。

例えば、日本では、
なぜ頭のいい超有名大学生ばかりが、多くの命を危険にさらした
オウムというダークサイドに落ちていってしまったのかを考えたりしました。

例えば、そこにあるのは、
何年も勉強だけをしてきて、熾烈な受験を乗り越えて

ようやく入った大学という場所での、虚無感というか、空虚さ、喪失感、
バーンアウト・シンドローム(燃えつき症候群)のような状態

そういう部分を、理性を通り越した
信仰への道が埋めていってしまったんじゃないかと想像します。

それはフレディの置かれた立場とも、通じているようにも思えます。

また、日本ではそういった心のケアや、グリーフケア、グリーフワークの
重要性、必要性が言われ出したのは、
1つに阪神大震災という災害がきっかけになりました。

『メッセンジャー』でも思ったことではあるのですが、
アメリカにおいてきっかけになるのは、常に戦争なのでしょうか。
(あの手厚いフォローっぷりは、かつての体験からいろいろ学んだことなのでは…)
ただ、戦争は、避けられるはずのことだとは思うのですが。

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