『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』は、あるがまま。

すーちゃん まいちゃん さわ子さん

★★★


あるがままに。そのままに。

原作４コマのほのぼのさからは、あまり想像つかない、

むしろ、どちらかといえば似合わない!? （すみません）

柴咲コウ＝すーちゃん、真木よう子＝まいちゃん、さわ子さん＝寺島しのぶ　と

なかなか気の強そうな女優たち３人で送る、

“現代女性“への応援歌といったところでしょうか。

しかし、原作をご存じの方、ちょっと読んでみた方はおわかりかと思いますが、

実はこのすーちゃんたち、けっこう辛辣で、真実を語ります。

だから、もしかしてぴったりの配役だったのかもしれない！

と思っています。

そう、この中には女性たちの本音と“毒”がいっぱい。

すーちゃんたちを見ていると、

わかる、わかるとうなづくこともあれば

うわっ、そんなこと、言っちゃってよかったの、とびっくりしたり、

ちょっと、そんな平気そうな素振りなんて、しなくていいのに、と心配したり。

友達かっ　と自分にツッコミたくなりました。

このご時世、言った当人は認識してなくても、

トゲのある言葉、地雷のような行動。

行き過ぎた思いやり（イヤミ？）。
それこそ、吹き矢のように刺さる毎日です。

日々。多々。

すーちゃんのように、雑踏の中で、ああ私は1人だな、と思ったこともあるし、

まいちゃんのように、あのとき結婚していなかったら、人生がまったく違ったものになったろうなと思ったこともある。

さわ子さん母娘がおばあちゃんについて語るところは、胸がじぃんと熱くなりますし、

猫のみーちゃんにはいやされるし。

映画を観ていて、とても親しみがわいてくる登場人物たちでありました。

ただ、だれしも、1人で立つ。

友達同士もずっと一緒ではいられない。

少しずつ以前のようには気軽に会えなくなってしまうのは、さみしいけど

でも、いてくれてありがとう、そこに在ってくれてありがとう。

そんな友情が、私にはうれしく、うらやましくありました。

彼女たちがいてくるから、きっとこれからも大丈夫。

だから、こっちもあるがまま、そのままにしていられるんだと思います。

すーちゃんはカフェの店長さんだし、3人が出会った昔のバイト先も飲食関係らしく、出てくるお鍋や、すーちゃんのお弁当がなんともおいしそうなこと…。

私も時々、この映画のように、ママ友なんかと“毒はき会”やりますけど、

最近よく多用されてる“女子会”なんて言葉、とても使えません。

実際、もう女子ではない年なんだし、日常への毒をはきつつも、

あえてかわいらしい名前をつけているのには、抵抗感を持ってしまいます。

無理やりその言葉を利用して、毒を薄めている、要はごまかしているような

感じがするんですよね。

働いて、1人で立って、恋をして、人生考えて、家族を思って。

今の女性たちは本当に多忙なのですから（いえ、昔から同じか）、

井戸の周りに集まってタライで洗濯していた時代から

ごく普通の、不可欠の営みなんですよ、これは。きっと。

・すーちゃん まいちゃん さわ子さん＠ぴあ映画生活

すーちゃん まいちゃん さわ子さん - goo 映画

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