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2013年3月 9日 (土)

『愛、アムール』は、究極の愛なのですか?

Amuru

愛、アムール Amour

★★★★★

ともに生きる。ともに老いる。
これは究極の愛なのですか

先日の第85回アカデミー賞では外国語映画賞を受賞。

主演のエマニュエル・リヴァは主演女優賞ノミネート。
授賞式でも、とてもすてきでした。

監督・脚本はミニャエル・ハネケ。

この人の映画は本当にひきづります。後ろ髪ひかれるなんて、もんじゃない。
救いもない…。かなりクセと毒がありますよね。
とくに『ファニーゲーム』はトラウマに近い…。

今回、とても普遍な、老老介護をテーマにした
この作品もまた引きずりました〜〜〜。

本当に、そこかしこで起きていることでした。
近所のマンションでも以前起きていたことでした。

いつもそうしたニュースを見聞きするたびに

老老介護という、2人だけの世界に、
もう少し外からの介入があったならと思わずにはいられないのですが、

この映画の場合は、
主人公のアンヌ(エマニュエル・リヴァ)も、
夫のジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)も
それをけして許さなかったでしょうね・・・。

夫婦だけしかいない、家という世界。

例えば、ナースを週3日だけ雇うというのは、
フランスの介護制度の中でも最低限のサービスだったように思えますし、
まるで排除するかのような、娘へのあの態度。
もし、私だったとしても怒りますけども。

でも、きっとそんな態度でさえ、アンヌとジョルジュにとっては
娘への「愛」だったのかもしれないんですね…。

冒頭の娘の放心、わかる気がします。

長年の日課のようになっていた、夫が語る妻をいやすための物語が
ついに尽きたとき、事は起こってしまいます。

病状の進行や2人の関係性、心情の変化は、過剰には語られず、
夫のたたずまいやしぐさ、部屋に舞い込んでくるハト、
食事や洗面の様子といった日常などから描かれます。

多くが語られない、その合間、合間を埋める
こちら側の想像が、
こんなにもつらく、愛に満ち、切ないものになるとは思わなかったです。

エンドロールの静寂とともに、

愛とは。命とは。夫婦とは。親子とは。生きるとは。老いとは。
死とは。平穏とは。尊厳とは。しあわせな最期とは。

めぐる、めぐる、いろんなことが。

そして、チラシを見れば、かたまったアンヌの頬に両手を当てている
「おい、どうした?」の表情のジョルジュ。

その横には「人生はかくも長く、素晴らしい」というコピー。
確かに、倒れてからのアンヌが言った言葉ではありましたが、

そのコピーの違和感たら、なかった。

哀しすぎる。切なすぎる。

老いることは、こんなにも残酷なことなんでしょうか。

結局、ジョルジュは、妻アンヌがアンヌたるべく
その尊厳を最期まで守り通したのかな…

それが「愛」なのか…
だとしたら、2人の最期は少しでも平穏なものになったのかな…
そう、思いたいところですが、

やはり、哀しすぎる。切なすぎる。
老いることは、こんなにも残酷なことなんでしょうか。




超高齢社会は、先進国全体が抱えている問題ではあります。

これからも高齢化は進む一方。

ますます支える側、支えられる側双方の不安は強まり、
持てる人たちだけが相応の準備をできることになるのでしょうか。

いや、たとえ多大な財産や名誉などを持っていても、

最期、旅立つときには、結局、すべてを手放していくことになります。

「家族といっても、みんな自分の生活が大事なのよ」と
東京物語』で原節子演じる紀子は言いました。

そうはいっても、そうはいっても、
その自分の生活の延長上には必ず、死というものが誰しも訪れることを、
私たちはふだんから語り合っておきたいと思うのです。

そして、せめて今、生きているうちは
この命に感謝するとともに
そのときまでどう生きるか、自らに問い、夫婦で、家族で
社会全体でも、オープンになり、
そのそれぞれの意思を尊重し合っていたいと思うのです。
愛、アムール@ぴあ映画生活

↓私のハネケ、デビュー
↓ときどき、彼がこっちを観るのです。


↓閉鎖的で小さな共同体は欺瞞と偽善のかたまり…


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