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2013年4月 2日 (火)

『ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの』ふたりの人生に乾杯。

T0016261p

ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの HERB & DOROTHY 50×50

★★★★★

集める人生から、片づける人生へ
アートの旅は終焉に。

前作『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』で、

“小さな巨人”とはホントよく言ったものだ、と
心にずーっと残っていて、

すっかり2人の、小さな巨人に魅せられてしまって。

2人のお互いへのリスペクトぶりに。

アートへの情熱ぶりに。

ハーブ&ドロシーは、夫婦というよりソウルメイト。
アートの森をともに探索し、
作品を求め続けている、バディのようにとらえていました。
(そして昨年に悲しいニュースが届いて…)

ブログに書いていませんでしたね、私。

続編にあたる本作では、

ナショナルミュージアムに4000あまりの
膨大なコレクションすべてを寄贈することはできないことがわかり、

全米50州から1カ所ずつ、自ら選んだ美術館に
50点ずつ分散して寄贈する「50×50」というプロジェクトが計画されます。
その立ち上がりから、
それぞれの美術館での受け止め方や、
ハーブとドロシーがそれをどう受け止めているか。
また、アーティストたちがどう受け止めているか。
さらには、実際に彼らのアートコレクションを目にすることになった
全米の一般の人たちはどう感じているかを追っています。

特に、ホノルル美術館の子どもたちへの試みはよかった。

アイデアとユーモアにあふれていました。

また、インターネットを利用したクラウドファンディングで資金をつのったところ、 この続編には1400万円を超える金額が集まったそうで、
これは1本の映画に対するクラウドファンディングとしては、
日本で最大規模のものなんだそうです。


<ネタバレあり、少し>

 

ニューヨークやロス、あるいは大学の多い町ならいざ知らず、
マイアミやラスベガス、ホノルルにも
世界的、歴史的コレクションがやってくるわけです。

たとえ、そのすべては理解できないにしても、
このプロジェクトはちょっとした、いえ、かなりの「事件」だったわけですね。

私自身もミニマルやらコンセプチュアリズムやら
わかったような、わからないような(いや、結局わかってない)。

アンディ・ウォーホルやジャスパー・ジョーンズと
同時期か 少し後の人たちということ…かな?

わかってるような、わからないような。

そんな程度です、わたしのアート知識。

しかし、2人、特にハーブが、アーティストや作品に対してかける
「Beautiful!」「Nice!」「Absolutely!」という言葉は

アートやアーティストに対する最もミニマムで、
最大級の賛辞であろうと思うのです。

そのときのハーブは、目がキラッキラしています。

ドロシーの言動は、驚くほどウイットに富み
正直で、確実です。

それはわかります。十二分に伝わってきます。

いうなれば、2人の存在そのものこそ、
ミニマムでありながら、最も偉大なんですよね。
アートの歴史にとって。

ハーブ自身も「人生そのものがアート史」だと言いました。

人生をかけて、情熱をかけて、そう生きた。アーティストとともに。

その人生におそらく悔いはないですよね。

彼亡き後、部屋を片づけるドロシーも、その作業自体が、
おそらく文字通りの“喪”の作業(グリーフワーク)となるのだろうと思います。

広がった森を、少しずつ少しずつ整理していき、せばめていき、
それこそ大きな足跡だけはしっかりと残して、

あとはひっそりと、シンプルに生きるべく片をつけていくだけ。

ただ、アートに捧げたハーブの人生は終わりをつげても
ドロシーとともに残した偉業と、コレクションは残り続けるのです。

それだけです。

そんな彼らの50×50は、http://vogel5050.orgから見ることができます。
全部ではないですが。

ドロシーもチェックしていることだし、
写真、どんどんアップしたらいいのに、 と勝手に思ってしまいます。

また、『舟を編む』を拝見したばかりということもあり、
ドロシーの情報処理能力というのか、情報の収集力、整理能力、記憶力には
「あ、辞書づくりに向いてる!」などと思ってしまいましたww。

ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの@ぴあ映画生活

ドロシーは吉野家の牛丼が大好きなんだって。

 

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