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2013年5月15日 (水)

『17歳のエンディングノート』彼女、生きるのが楽しいってよ。

17

17歳のエンディングノート Now is Good 

★★★★★

ダコダとジェレミーが魅せる

青春“終活”ラブストーリー

 

マザー・テレサは、

たとえ人生の99%が不幸であったとしても、
最後の1%が幸せであるならば、
その人の人生は、幸せなものに変わるのです。

という言葉を残したそうです。

この映画の主人公テッサにとって、99%の人生が不幸でなかった、
といえばおそらく嘘だろうと思いますが、

テッサの最後の数カ月は、もっとも幸せなものであったでしょう。

自らが描いた“エンディング”TO DOリストは
ほとんど成し遂げましたしね。

最高の恋もしたし。

この映画は『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』の
脚本家オル・パーカーが
イギリスのジェニー・ダウンハムのベストセラー小説「16歳。死ぬ前にしてみたいこと」を元に脚本を書き、監督も手がけています。
『マリーゴールド・ホテル〜』は大好きです。

白血病で余命宣告を受けているテッサ。
17歳になったある日、大人になるまで生きられないのならと、
一生分の経験をするために
TO DOリストをひそかに作り、親友のゾーイと実行に移そうとします。

『最高の人生の見つけ方』は孫もいるような
おじいちゃん2人が“棺おけリスト”を作っていました。

『死ぬ前にしたい10のこと』の22歳の若いママ。
さらに、もっと若い少女、
しかも、それまでの人生の大半を治療に費やしてきた少女です。

その、TO DOリストとは・・・

 お酒を飲む
 パパの車を運転する
 セックスする
 タトゥーを入れる
 ハワイでサーフィン
 有名人になる
 法律を破る
 ドラッグをやる
 グラストンベリー・フェスへ!(世界最大規模のロックフェス)
 1人暮らしをする
 パーティーで一晩中踊る
 レイシストを殴る

と、青春まっただ中!というものばかり。

だって、まだしたことがないから。
あれも、これも何でもやってみたい。

“死ぬとわかったら、絶望してる場合じゃない”と、テッサは気づいていたんですね。

やがて、彼女は隣に越してきたアダム(ジェレミー・アーヴァイン)に
恋をするんです。
アダムは大学を休学し、事故で夫を亡くした喪失感から不安定になっている
母親の面倒を見たり
ガーデニングをしながら過ごしていました。

アダムも同世代の話相手、欲しかったんですよね、きっと。

やがてアダムに連れ出されて見た、外の世界の輝きに
テッサは心を打たれていきます。

生きている というのは

今日の空は高いとか。雲の流れが早いとか、

木々の葉っぱがそよいでることとか、

絶え間なく引いては返す波とか、

そんなごく当たり前のことを
実感する毎日だったのですね。

個人的に、余命宣告というのは、
医者の保険というか、言い訳的価値があるような気がして、あまり好ましくは思っていないのですが、

準備ができるという意味では、
「余命がわかるがんは、悪くない死に方」
「がんのおかげで豊かな晩年をいただたいた」と池田省三先生が言ったように
その間、いろいろ考えたり、
行動ができたりする猶予を与えられるのかもしれません。

余命半年と言われた私の大恩人も
結局4年近く生きました。

臨終の1時間ほど前には、ガバッと起き上がり
「ありがとう!ありがとう!」と、
どこにそんな力が残っていたのかと思うくらいに
奥さんを抱きしめたんだそうです。
 

そのお話を聞いたとき、2人で生きてきた30年余りの年月の
幕引きを思わずにはいられませんでした。

この映画のテッサの場合も、
最期にはみんなに見送られて逝きましたね。

アダムも一緒にいてくれて。手を握ってくれて。

病いを通じて得たものだって、たくさんあると思うのです。
(「キャンサーギフト」という言葉があります)

特に若いアダムにとってはつらかったろうと思うけれど、
テッサ本人は、たぶん人生の最後の1%、とっても幸せなものだったろうと思うし、

最後の最後にようやく現実に向き合うことのできた母親(オリヴィア・ウィリアムズ)も来てくれたし、
ある意味、あがくことを止め、ふんぎりのついた父親(パディ・コンシダイン)も
きちんと「サヨナラ」できたんじゃないかと思います。

あと、弟くんね!最後のメッセージには涙腺が決壊しました。
聴覚は最後まで残るといわれていますから、
「絶対、聞こえてるからね!」と声を上げそうになりました。

彼らはお互いに、おのおののグリーフワークの支えになれる存在であろうと
信じてやみません。
また、在宅ナースの方もよかったな。

この映画、17歳の女の子が白血病で亡くなっていく、
つらく悲しい物語ではあるのですが、

帰り道に何気なく見上げた夕焼けが、

私の目にはものすごくきれいに映りました。

空が変わらずにそこにあるということ、
そして、それがどんなときでも美しいものであることを教えてくれた
テッサという少女に、感謝の気持ちでいっぱいになり、

なぜだか元気がわいてきました。
こういう内容の映画なのに、元気が出る、
とても不思議な体験となりました。

ダコダ・ファニングの情熱的で圧倒的な演技力もさすがでした。

17歳のエンディングノート@ぴあ映画生活

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» 『17歳のエンディングノート』 2013年4月23日 シネマート六本木 [気ままな映画生活(適当なコメントですが、よければどうぞ!)]
『17歳のエンディングノート』 を試写会で鑑賞しました。 上映前に坂口杏里(坂口良子の娘)のトークショーがありました。 母親が亡くなって・・・と言ってたけど、終わってネット見て誰か分かりました。。。 【ストーリー】  白血病で余命宣告を受けたテッサ(ダコタ・ファニング)は引きこもる日々を過ごしていたが、17歳になり死期が迫っていることを悟る。残りの人生を精いっぱい生きるべく、彼女は死ぬまでにしてみたい事柄のTO DOリストを作る。作成したリストの内容を実行していく中で、隣に引っ越してきた青年アダ... [続きを読む]

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