『愛さえあれば』 Love is all you need
★★★★☆
ありのままを愛して共にいてくれる人
そして、南イタリアの風景がいやし
アカデミー賞外国語映画賞を受賞したスサンネ・ビア監督の
“大人向け”なロマンティック・コメディ。
南イタリアが舞台になっていて、
まぶしい陽光と、青い海と、斜面に立つ茶色の建物と
レモンの木の緑と、実の黄色のコントラストがなんともステキで、
こちらも南イタリアの風景そのものが、いやしでした。
人は、慣れ親しんだものと決別するときが、一番つらいし、勇気がいる。
主人公のイーダ(『未来を生きる君たちへ』にも出演したトリーネ・ディアホルム)は、乳がんの治療がようやく、ひと段落したところでした。
今後の予定や、乳房の再建、患者会の紹介など、一連の話を聞いて、
病院から戻ると、
なんと、夫ライフは会社の子と、コトの真っ最中……。オイオイ!!!
完治したわけじゃない、これからも定期検診が必要な身なのに!
しかも、娘のアストリッドが結婚式を控えているというのに!
傷心の中、それでもイーダは結婚式のため、
1人、南イタリアのソレントへと向かうことになります。
なぜイタリアかというと、新郎の父親の別荘がそこにあるからで、
その父親というのがフィリップ(ピアーズ・ブロスナン)なのでした。
野菜や果物の貿易会社の経営者で、いかにも仕事人間という感じ。
息子のパトリックがまだ幼いときに、妻を亡くしていました。
彼もまた結婚式のために、南イタリアへ発とうと空港へ向かいますが、
なんと駐車場で、心ここにあらずなイーダに車をぶつけられてしまいます。
すぐに、お互いが子どもの結婚相手の親だと気づきますが
初対面の印象は、最悪に近い ^_^; ものでした。
さらに、結婚を控えた子どもたち、そして、集まってきた親族もまた
ひと筋縄ではいきません。
お互いの息子と娘、特にパトリックのほうがマリッジブルー?
なのか何なのか、2人の仲はしだいに微妙になってきます。
また、浮気夫はなんと「飛行機がキャンセルになって」とか言いながら、
浮気相手の若い娘を連れてくるし、オイオイオイ!
軍にいる新婦の弟ケネトも、けがをしたため式に出られることになったものの
おやじの顔を見れば一触即発の勢い。
フィリップのほうも、亡くなった妻の妹ベネディクテが
ヘンな色目を使ってきて閉口していました。
そんななか、イーダはありのままの姿をフィリップに見られてしまったこともあり、
どんどん距離が縮まってゆく2人なのですが・・・。
イーダ役、トリーネ・ディアホルムは1972年生まれの41歳。お年ごろの娘がいる役なのに、私とそう変わらないのに、
とっても美しかった。子どもたちからも、慕われ、信頼されるステキなママで
あんな夫でも、決して、子どもたちの前では悪く言わないんですね。
ポジティブというのか、むしろ強がってる。あるいは、耐え忍んでいる、というか。
そこはすばらしいと思いましたが。
そ・れ・で・も・
この夫、一番支えてほしいときに浮気するなんて、サイテー!
「君が病気になって、俺もつらいんだ」って、
気持ちはわかるけれども!それはわかるけれども、サイテー!
先日、アンジェリーナ・ジョリーが、
セレブならではの(といったら語弊があるかしら)
最もアクセス数が多いのは、「再発・転移の徴候と診断」なんです。
乳がんになられた方が、最も聞きたい「体験者の語り」は、その点なんです。
恐らく、そこが一番心配だし、大きな不安要素なんです。
そういうことは、ぜひ多くの方にも知っておいていただきたいな、
なんてことを思います。
ちなみに、スサンネ監督のお母さまが、がんだったそうで
イーダの役柄にもインスピレーションを与えたそうです。
一方、ピアーズ・ブロスナンですが、
『007』のときにはステキとかあまり思わなかったんですが、
本作では思いました。シブさをいっそう増して、カッコよかったですね。
ラストも・・・。
私も同じ立場に置かれたときには
同じように言葉をかけてもらいたい!と強く思いました。
・愛さえあれば@ぴあ映画生活
↓コリンもいいけど、ブロスナンもね。これもロケーションが抜群でした。


↓この映画好きです。重たいけど、好きです。
↓愛とは何か?考えさせられますね。


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