twitter

uereiのおすすめ

フォト

インターネット募金

« 『世界が食べられなくなる日』が訪れませんように… | トップページ

2013年6月13日 (木)

『インポッシブル』あまりにつらい、でも観る意味。

Photo_3

インポッシブル THE IMPOSSIBLE

★★★★☆ 4.5

 

不可能かもしれなかった命の生還

生かされている、その意味を問う

2004年、スマトラ島沖地震後に発生した大津波に遭遇した、ある家族の実話を映画化。

モデルとなったスペイン在住中のマリア・ベロンさんは、脚本にも助言をし、
自分が被災した場所での撮影にも立ち会ったそうです。

来日して、東日本大震災で被災された方々とも会われたと聞きます。

追体験することは、相当つらかっただろうに。

ご主人ヘンリーが日本の企業で働いていたので、
日本から来たという設定でしたが、その辺も実話なのかな。ちょっと不明です。

クリスマスを利用して、タイにバカンスに出かけるんです。
リッチではあります。

長男のルーカス(トム・ホランド)はまあ、まさに反抗期で。
下の子たちに何かちょっかい出されたり、構われたりするのが、
ちょっと面倒になってきた15歳。

でも、クリスマスが来てしまえばね、やっぱり楽しいは楽しんですよ。
家族と一緒だし。

そんな中、突然、襲ってくる大津波。

あまりに突然の出来事に、一家

母マリア(ナオミ・ワッツ)と長男ルーカス、
父ヘンリー(ユアン・マクレガー)と次男トマス・三男サイモンと、
離ればなれになってしまいます。

当然のことながら、映画の中には津波の再現シーンがあります。

その描写は、同じスマトラ沖地震の津波を描き、
震災が発生したことを受けて上映中止となった『ヒア アフター』の比ではなく
相当の「覚悟」が必要です。

本当、半端ないです。


ハンカチにぎりしめて、パニックになる一歩手前でした。
正視していられませんでした。

目をそらしても、音もすごいですから。

音だけで、心臓がバクバクします。正直しんどかった。

つらいです。惨いです。『遺体〜明日への十日間〜』も思い起こされます。


そのことはどうか肝に銘じて、十分承知した上で、
ご覧になりたい方は、ご覧になってみてください、と思います。




観賞後は、三陸地方の津波の多い町に伝わる、
「津波てんでんこ」という言葉を思い出しました。

「津波が来たら、人に構わず、めいめい逃げなさい」という言葉の重みと、

“てんで”に逃げて、逃げ切った、命が助かった、その後を考えました。

ちなみに彼ら家族は、全員生きています。

「ウソ〜!?」と思うような展開もありますが、実話のようです。

なぜ今、日本でこの映画か。


その意味をかみしめています。


ナオミ・ワッツ&ユアン・マクレガー、
そして子どもたちもすばらしかったのですが、
特にルーカスの姿には心打たれました。

必要に迫られた中での、大きな喪失を抱えた中での

ルーカスの成長とそのがんばりには涙が出ました。


助かった命、助けられなかった命。

そのとき、何が私たちを分かつのでしょうか。


大自然の脅威の前に、すべての命は助けられません。それこそインポッシブル。


賛否両論、それはあるでしょう。

これだけの描写なのだから、それは当然だと思いますし、
「早すぎる」と言われるのもわかります。

その両方を受け止めていきたいなと思います。


とはいえ、あの日、TVでは放送されなかった、

たくさんの人の生きた証し、その“生と死”を、

少しでも、この映画で知ることができるのなら、

私たちは知っておくべきなのだろうと思うのです。



なぜ今、日本でこの映画か。

「自分だったら」と考える。

あの日に思いを馳せる。

想像力を働かせる。


実際に経験をしなかった私たちは、そうすることしかできないのですが、

その機会を与えてくれると共に、

私たちにも訪れるかも知れない“そのとき”にどう行動する、ということも
考えさせてくれるきっかけになると思います。



↓そう考えると、『遺体』の映画化にも意味がありますね。
↓ナオミ・ワッツ作品ではこれが好きです。

インポッシブル@ぴあ映画生活
・Twitterでも時々つぶやいています @uereiy twilog
・試写会直後の感想や来日記者会見、上映イベントの情報もちらほら。
こちらのFacebookページにも「いいね!」をいただけるとうれしいですm(__)m!
Healing & Holistic 映画生活

にほんブログ村 映画ブログへ にほんブログ村 健康ブログ ホリスティック医療へ

« 『世界が食べられなくなる日』が訪れませんように… | トップページ

コメント

ほぼ毎さん、コメントありがとうございました。
知っておくこと。想像することは大切だと、私も思います。

こんばんは

勝手ながら失礼します

本作のナオミ・ワッツの演技がアカデミー賞にもノミネートされていて、注目していた作品でした。

ヒアアフター同様、上映に制限がかかるのかとも思いましたが、記載されている通り、知ることは大切だと思います。

ナオミ・ワッツ出演の『愛する人』、私も大好きな映画です

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『インポッシブル』あまりにつらい、でも観る意味。:

» 【TIFF_2012】『インポッシブル』 (2012) / スペイン・アメリカ [Nice One!! @goo]
原題: The Impossible 監督: J・A・バヨナ 出演: ユアン・マクレガー 、ナオミ・ワッツ 、トム・ホランド 、サミュエル・ジョスリン 、オークリー・ぺンダーガスト 映画『インポッシブル』公式サイトはこちら。 (2013年6月14日公開) 第25回東京国際映画...... [続きを読む]

» インポッシブル [映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜]
評価:★★★★☆【4.5点】(10) 映画の構成は『ワールド・トレード・センター』か。 [続きを読む]

» 【インポッシブル】ある家族の物語 [映画@見取り八段]
インポッシブル~ LO IMPOSIBLE ~    監督: J・A・バヨナ    出演: ナオミ・ワッツユアン・マクレガートム・ホランドジェラルディン・チャップリンサミュエル・ジョスリンオークリー・ペンダーガスト 公開: 2013年6月14日 2013年6月14日。劇場観賞。 200…... [続きを読む]

» インポッシブル ~東京国際映画祭より~ [とりあえず、コメントです]
2004年の年末に発生したスマトラ沖地震の津波に巻き込まれた家族の物語です。 もの凄く怖そうですけど実話を基にしていて、主演がナオミ・ワッツ&ユアン・マクレガーなので やっぱり観てみたい!とチャレンジしてみました。 黒いスクリーンに“Based on a true story”という文字が浮かび上がる出だしから聞こえ始めた、 遠くから地響きが鳴るような恐ろしい音に、すぐに逃げ出したくなるような気持ちにさせられる作品でした。 ... [続きを読む]

» 「インポッシブル」☆実体験の恐怖 [ノルウェー暮らし・イン・原宿]
ロンドンのときのお友達に、このスマトラ島沖の津波を実際に体験したというご家族が居た。 まさにこの映画に登場する家族と同じ。 彼女の体験談を聞いて私が想像したものは、まるでその10分の1ほどでもなかったのだと痛感。 勿論、この映画はドキュメンタリーではないのだけど・・・・・... [続きを読む]

» インポッシブル (試写会) [風に吹かれて]
津波で散り散りに公式サイト http://gacchi.jp/movies/impossible6月14日公開実話を基にした映画監督: J・A・バヨナ  「永遠のこどもたち」2004年12月。マリア( [続きを読む]

» 「インポッシブル」 [或る日の出来事]
家族って、すごいなあと感動する。 [続きを読む]

» インポッシブル 津波の怖さとはこれなのか! [労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと〜]
【=35 うち今年の試写会5】 「2004年のスマトラ島沖地震による津波に巻き込まれたスペイン人一家の実話を基にして作られた映画。予告編ではワッツとマクレガーが『希望、勇気、家族の愛について問い掛ける物語で、被災者の方々への大きな敬意を示した作品です』と、東日...... [続きを読む]

» この状況下で人は・・・ [笑う社会人の生活]
24日のことですが、映画「インポッシブル」を鑑賞しました。 マリアとヘンリーは3人の息子と共にタイにやって来た。 しかし 彼らは未曾有の天災に巻き込まれ 一瞬にして津波にのみ込まれ散り散りになってしまい・・・ スマトラ島沖地震後に発生した津波に遭遇した一家の...... [続きを読む]

» インポッシブル [映画的・絵画的・音楽的]
 『インポッシブル』をTOHOシネマズシャンテで見ました。 (1)ナオミ・ワッツとユアン・マクレガーが出演するという情報だけを持って映画館に行ってきました(注1)。  本作は実話(true story)を基にしており、2004年12月にスマトラ島沖地震で発生した大津波に襲われ...... [続きを読む]

« 『世界が食べられなくなる日』が訪れませんように… | トップページ

2019年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

最近のトラックバック

映画リンク

  • 映画.com

ファミリー・ツリー

エンディングノート

無料ブログはココログ