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カテゴリー「ファンタジー」の記事

2013年4月20日 (土)

『ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜』これが生きる力だ!

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ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜

 

Beasts of the Southern Wild

★★★★★


絵本の世界のようなファンタジーと
厳しい現実との はざまにある
“いのち”の本質と生命力



ゆとり教育の導入のとき、
「生きる力」を育むとか、なんたら、かんたらという文脈がありましたが、
この映画の中にあるものこそ、「生きる力」だと思うんです。

6歳の少女ハッシュパピーが体験する、“いのちの尊さと厳しさ。
いのちをまっとうして、生きていくための力。

これ、全国の小中学校で【いのちの授業】の教材にしたらいいと思うんです。
もう必修科目で。

今の時点で、2013年上半期のBest1。
『ライフ・オブ・パイ』より持っていかれる作品に
こんな短いスパンで出会ってしまった、という感じです。

つまり、近ごろアカデミー賞をにぎわす作品の
ベクトルが近しいのかもしれませんね。

もともとは戯曲で、ベン・ザイトリン監督自らが脚色。

サンダンス映画祭グランプリも納得。最優秀撮影賞も。
今、何かと話題のカンヌ国際映画祭でも、カメラドール(新人監督賞)に選ばれています。

アカデミー賞では『リンカーン』や『レ・ミゼラブル』『アルゴ』
『ライフ・オブ・パイ』などと肩を並べて、

作品賞にも、監督賞にも、主演女優賞にも、脚色賞にもノミネートされているところがスゴい。

そういう部分のアカデミー賞の間口の広さには敬意を感じます。

特に、主演のクヮヴェンジャネ・ウォレス(9歳)ちゃんが史上最年少、
『愛、アムール』エマニュエル・リヴァ(85歳)が史上最年長で、
主演女優賞に同時ノミネートということで、
各方面に話題をふりまき、来日もしてくれましたよね。

とても利発そうな子でした。
彼女なくしては、この映画はなかった。


彼女のかわらしさを全面に出したビジュアルで、こちらのチラシもありましたが、

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私は、本国の花火のシーンのが一番好きです。

世界観は、むしろこっちだろうと思います。



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2013年3月29日 (金)

『パラノーマン ブライス・ホローの謎』は大事なもの!

Photo

★★★★


少年たちと町
を追う冒険は

驚異のストップモーションで楽しみましょ


『コララインとボタンの魔女』製作のライカ社による
驚異の3Dストップモーション・アニメ!

これはもう感動モノ!すばらしい!
その手間、時間、細やかさ、アイテム数の多さに
いちいちびっくり。脱帽。


ストーリーも辛辣で、
これが意外と深い話で、
「恐怖」とは?
人はいったい何を恐れてしまうのか?
とかまで考えたりもしました。

ゾンビ愛もたっぷりです。


300年前、魔女退治が行われたという
伝説が残る町ブライス・ホローに暮らす
ゾンビやホラーが大好き、
なぜか死者と話ができる少年ノーマン。

誰にも理解されないその能力のせいで
家族からはうとまれ、
学校ではいじめられという毎日で…。

主人公ノーマンの声を『モールス』の少年、コディ・スミット=マクフィー、

ノーマンの姉を、アナ・ケンドリック、
いじめっこアルヴィンは、クリストファー・ミンツ=プラッセ
親友の兄ミッチには、ケイシー・アフレック、
ノーマンに町の秘密をたくすおじさんにはジョン・グッドマン と

声優陣がとても豪華なんですよね、
プレスシートには顔写真すらなかったけど。
でも、逆にこの映画はそこをウリにしないってことなんでしょうね。

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2013年3月20日 (水)

『クラウド アトラス』つながるとは、こういうことだ。

Cloudatlas

クラウド アトラス CLOUD ATLAS

★★★★4.8

 

時代は、めぐりめぐる
人類の善意がつなげる

映像化不可能といわれた、2004年に発表された

デヴィッド・ミッチェルの小説『クラウドアトラス』を映画化。

彼はまだ40代なんですね。すごいな。

そして、映像化不可能とやらも何のその

ものの見事にそれを実現してしまったのは、

『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー姉弟と
『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァ。
いや、これもまた、さすがです。


『マトリックス』ほどの映像革命ではないにしろ、
ネオソウルなんかの、やや既視感のある、退廃した、
終末的な世界観はやはり好みです。

6つの時代と場所で、6つのエピソードが並行し、
知らずしらずのうちに交錯していく3時間弱の物語で

6本のストーリーを、合計13人・64役もの
豪華キャスト陣が特殊メイクをしたり、何ともさりげなくいたりして
相当入り組んでいるにもかかわらず、特に混乱もなく観ることができました。

編集が、見事なんですね。
3人の監督が着地点をわかっててやっているところが。


そんな『クラウド アトラス』
とても“社会学的な映画だったと思います。

こうして人は、つながっているというのを、
目の当たりにすることになりました。

私は、好きだ。


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2013年3月 7日 (木)

『メモリーズ・コーナー』忘れないで、ほしいから。

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メモリーズ・コーナー

★★★☆☆3.5


きっと、忘れません。

あなたの思いを受けとります

阪神・淡路大震災の15周年記念式典の取材のため、
神戸にやってきたフランス人記者アダ(デボラ・フランソワ)の目を通じて、

人々が、街が、今なおとどめている傷を描き出す“フランス映画”。

1月17日生まれのオドレイ・フーシェ監督は、

この震災の数年後、母親の知人の日本人が「孤独死」を
遂げてしまったことがきっかけとなって
この映画を撮ることを決めたそうです。

高層マンション、整備された公園…
街並みは一見、復興を遂げたかのように見えても

あの、大きな、大きな喪失感は、
今なお、癒えることはないということを静かに伝えてくれていました。

アダの通訳、岡部役には西島秀俊。
フランス語を完ぺきマスターしたらしく
かなり流ちょうだったと思います。すばらしい。

アダさんとフランス語でたこ焼き食べたりする姿には萌え…
いえ、失礼しました。

そして、アダさんが岡部や市のボランティアとともに訪ねる
かつて長田区に暮らしていた石田という謎めいた男を
阿部寛が演じます。

アダさんと話すときには、英語でした。

2人とも、すっかり、さすがの国際派ですね。

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2013年2月13日 (水)

『ムーンライズ・キングダム』ようこそ、12歳のみずみずしい王国へ

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ムーンライズ・キングダム


★★★★4.5

60’sの画集から飛び出した

12歳のまっすぐピュアラブ


まず一言、言わせていただくと、

ウェス・アンダーソン、大好きだ〜!!!


まさに、ノーマン・ロックウェルの画集のような世界観。

彼のイラストから飛び出してきたような映像が、可愛らし過ぎます。

1960年代の雑賀やファッションも、可愛らし過ぎます。

とても好きです。好みです。

ボーイスカウト隊員で、ちょっびり周りから浮いてしまう孤児のサムと、
キレやすいとうわさのスーザン。

この12歳のボーイ&ガールは、ある日、
1年間の文通をへて、手を取り合って駆け落ちすることに。

この2人は、これが映画初出演という、
ジャレッド・ギルマンとカーラ・ヘイワード なのですが、

2人とも何とも初々しくて、みずみずしくて、とってもキュート。


何となく彼はダニエル・ラドクリフに似ていないでもないし、
彼女はエマ・ワトソンにちらっと似ているような気もするし。


そんな2人が、とにかく、駆け落ち、するんです。

サマーキャンプを抜け出して、

小さな島と、小さなコミュニティを舞台にして。
 

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2013年1月25日 (金)

生かされた いのち『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』

★★★★★


3Dの圧倒的映像が語る
想像を絶する海上の日々

パイの人生の227日を約2時間、壮絶に旅して、もうクタクタ。

でも、割と心地よい疲労感です。

ふだん、メガネonメガネになってしまうので
すすんで3Dは観ないのですが、
これは特筆すべき。

ジェームス・キャメロンのいうことを素直に聞いて、
3Dで観ることをおすすめします。できればIMAXで。
これは、意味のある3Dというんでしょうか。

猛獣のベンガルトラと太平洋上に2人きり。いや、1人と1匹きり。

トラとともに過ごした、海の上のパイの旅を映像化するのに

3Dは不可欠だったように見えます。

海というのは、これぐらい本当に壮大で美しいんだけれども、
逆に、とうてい人の手などに負えない
恐ろしさや、ミステリアスさ、手強いものであることをあらわせたのは
3Dでこそだったからじゃないかと思います。

しかも、猛獣のトラと一緒だし。

すごいです、アン・リー。

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2012年10月 9日 (火)

生者は行く。死者の使者が『ツナグ』ゆえ。

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ツナグ

★★★★


生者と死者と思いをつなぐ

ファンタジック・ストーリー


直木賞作家・辻村深月の原作を映画化。

これは当て書きか⁈と思うほど、

都会的でクールなルックスでありながら、どこか朴訥で誠実な印象を持ち、

時に、年上に対しても「甘えんなよ」と熱く諭すことのできる高校生・歩美を演じられるのは、今、ギリギリ桃李くんしかいないんじゃないかと思います。

(この「ギリギリ」は年齢的に、という意味で)


もちろん、ちょっと不思議な雰囲気を持つ、おばあさんを演じたら

もはや右に出る者はいない、樹木希林さんはいうまでもないハマリ役。

遠藤憲一、八千草薫といったベテラン勢は抜群の安定感。

プラス橋本愛、大野いと、桐谷美玲といった若手の女子たちの熱演により

予告を観た感じや、事前に描いてしまったイメージで

斜に構えていたところをいい意味でくつがえされました。


意外にも、いい映画だったな、と思っています。





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2012年10月 5日 (金)

『ハンガー・ゲーム』生き抜く決意

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ハンガー・ゲーム

★★★★

何のため、だれのために生きるのか。

もう一度、思い起こさせる闘い


これぞ正真正銘の“全米大ヒット!”

さらに米Amazonでは、原作本3部作の売上げが
ハリポタ全巻分を上回るという大人気。

『ウインターズ・ボーン』の
ジェニファー・ローレンスはやはり、
すばらしい女優さん。
ずっと観ていたい女優さん。

まちがいない。

今回も体を張って、
妹の命、家族の生活、地域の幸福、そして自分自身の命
いろいろと守ります。

『キッズ・オールライト』の
ジョシュ・ハッチャーソンもりりしく。
『マイティ・ソー』ことクリス・ヘムズワースの弟
リアムは、ヒロインを見守る親友役で登場。

続編が期待されますね。

その設定上、どうしても比較されてしまいますが、

あまり『BR』は意識しなくていいかも…と
私は思っています。

そりゃ既視感はありますが、根本、別モノという感じ。

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2012年8月22日 (水)

『おおかみこどもの雨と雪』にある子離れと親ゴコロ

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おおかみこどもの雨と雪

★★★★★

親がイチバン難しいのは
子どもから離れることだ

子育てと、子離れ。

子どもが自分の生きる道を見つけ、
信じられる人、信じられる世界を見つけていくお話。

それを親が見守る、見送るお話。

細田守監督の『サマーウォーズ』も『時をかける少女』も、
どちらかというと、すっかり出遅れて、話題になってから観て、

なるほど!みんなが大好きになるワケが分かるっと思ったものですが

本作は早い段階から、映画を生業にする方々からの絶賛の嵐。

そして、同い年の娘を持つ友人からも「号泣した!」との知らせ。

これは、子どもと一緒に観たかったようでいて、

実は、子どもと一緒に観るには、どこかこっぱずかしい親ゴコロにあふれ過ぎていて、

一緒じゃなくてよかった、とちょっとホッとしながらも

子どもたちと一緒になって号泣しているママさんたちがうらましくもあったりと

微妙な気分にさせられました。

親たるもの、

子どもがああいうふうにして行くまで、そばにいて、

ご飯をつくり、ともに学び、

日常を過ごし

「大好きだよ」と、「大丈夫だよ」と

「いてくれてありがとう」と伝えていく、

それが親の務めの1つなのだなと。

そして、【時】がきたら、

勇気を持って、子どもたちをああやって送り出すんですね。

 

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2012年6月21日 (木)

新『スノーホワイト』いいところもあります

Photo


スノーホワイト

★★★3.5

童話の世界には、やっぱり
教訓がつまっている

私は結構、おもしろいと思いました。

こういうお話はやっぱり悪役が効いてないと!

「鏡よ、鏡」と、自分の美しさと若さを確認するために問い、
“抗加齢”のために魔力を使いまくる
ラヴェンナ女王様(シャーリーズ・セロン)が、断然いいです!

一方、スノーホワイトを演じるクリステン・スチュアートも

こっちの、強い心を持ち、慈しみのある、
癒しと勇気を与えられるスノーホワイトのほうが

いつも守られているベラよりも似合っているように思いました。


きっと慈愛というのは、

愛し愛されたからこそ、周囲に返せるのでしょうね。

1羽の小鳥にさえも。

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