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カテゴリー「介護」の記事

2013年5月18日 (土)

『建築学概論』初恋と、家と、親と。

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建築学概論

★★★★★

あのころにはわからない、焦がれ人の心と親心

“初恋ブーム”の背後のかすかな切ない気持ち

昨年の『サニー 永遠の仲間たち』に匹敵する、

いや、それ以上かも知れない感涙、韓国映画。

今年は本当に、2月の『王になった男』は皮切りに過ぎず、

この映画や、『私のオオカミ少年』『殺人の告白』『ある会社員』
『10人の泥棒たち』『嘆きのピエタ』『ベルリンファイル』などなど
日本公開作品は当たり年ですね。

やっぱり韓国映画、おもしろい。

で、この映画の舞台となるのは、私自身も“華”?の20代を過ごした1990年代と、
2010年代の現代という2つの時代。

建築士のスンミンのもとに、ソヨンという女性が訪ねてきます。
済州島にある実家をある目的のために改築してほしい、というのです。

そして、少しずつ記憶をたぐるように描き出されていく、2人の学生時代。
かつて「建築学概論」という授業を一緒に取った2人の
淡い初恋がよみがっていきます。

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2013年5月 8日 (水)

『カルテット!人生のオペラハウス』これぞ“ココロの抗加齢”ムービー

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カルテット!人生のオペラハウス

★★★★☆


往年の名音楽家たちがダスティンのもとに集結
老いても枯れない愛に支えられて

ダスティン・ホフマンが本作の脚本を読み、
「これは僕がやらなければ」という使命感にも近いものを感じて挑んだという、
意外にも初監督となる、ハートウォーミングドラマ。

先日、公開に合わせてダスティン・ホフマンが21年ぶり、
しかも今回は監督として来日を果たしたわけで、

プレミアで感極まった様子には、こちらも思わず胸が熱くなりました。
 

舞台は、現役をリタイアした音楽家たちのホーム<ビーチャム・ハウス>。

ホームの運営には、それぞれの音楽家たちが自らの“腕”や“のど”を披露する
コンサート“ガラ”のチケット代が当てられていました。

大切なガラが近づいたある日、ビーチャム・ハウスにやってきたのが、
マギー・スミス演じるジーン。

オペラ界のプリマドンナとして人気も実力もあったソプラノ歌手でしたが、
いかんせんプライドが高く、とっても気むずかしい人なのでした。

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2013年3月 9日 (土)

『愛、アムール』は、究極の愛なのですか?

Amuru

愛、アムール Amour

★★★★★

ともに生きる。ともに老いる。
これは究極の愛なのですか

先日の第85回アカデミー賞では外国語映画賞を受賞。

主演のエマニュエル・リヴァは主演女優賞ノミネート。
授賞式でも、とてもすてきでした。

監督・脚本はミニャエル・ハネケ。

この人の映画は本当にひきづります。後ろ髪ひかれるなんて、もんじゃない。
救いもない…。かなりクセと毒がありますよね。
とくに『ファニーゲーム』はトラウマに近い…。

今回、とても普遍な、老老介護をテーマにした
この作品もまた引きずりました〜〜〜。

本当に、そこかしこで起きていることでした。
近所のマンションでも以前起きていたことでした。

いつもそうしたニュースを見聞きするたびに

老老介護という、2人だけの世界に、
もう少し外からの介入があったならと思わずにはいられないのですが、

この映画の場合は、
主人公のアンヌ(エマニュエル・リヴァ)も、
夫のジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)も
それをけして許さなかったでしょうね・・・。

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2013年2月14日 (木)

『WIN WIN ダメ男とダメ少年の最高の日々』ぜんっぜん、ダメじゃないよ。最高なんだよ。

Winwin

WIN WIN ダメ男とダメ少年の最高の日々  (WIN WIN)

★★★★4.8


レスリング大好きな2人が輝く

小粒だけど、やっぱり大好きな映画


『リトル・ミス・サンシャイン』や『サイドウェイ』の、

フォックス・サーチライト・スタジオが製作。


冴えない弁護士とワケあり少年が、

レスリングという共通の愛するスポーツを通じて再生する、

ユーモアたっぷり、ハートウォーミングな物語。

大好きなタイプの映画です。俳優陣も、キャラも、セリフも好きですね。

仕事がなく金欠にあえぐ、弁護士のカイル(ポール・ジアマッティ!)は、

近所の資産家で1人暮らしのレオの認知症が進んだことを知ります。

レオには娘がいるというのに、行方知れず。ほかに身寄りもない。

高額な報酬を目当てにして、マイクは

レオの“後見人”Guardian になることに。

その際に、ちょっとしたウソをついてしまうのです…。

日本にもある成年後見人というものですね。

認知症や知的障がい、精神障がいなどで、財産管理や契約などの判断を自分でつけるのが難しい方々を 保護したり、支援するという制度。

日本では今、弁護士などの公的資格がなくても、一般市民もなれる“市民後見人”の養成もいわれていますが、報酬の問題って、難しい。

果たして、ボランティアでいいのでしょうか、という気もしています。

地方自治体に振りすぎだと思いますし…。

で。

ところが、

身寄りがなかったはずのレオを訪ねて、

レオの孫だという、ブロンドの少年カイルが現れます。

この子が何だか、ワケありふうで…。

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2012年11月18日 (日)

『任侠ヘルパー』の肝心な部分

任侠ヘルパー

 

★★★

草彅剛主演のテレビドラマ・シリーズをちょっと趣向を考えて、映画化です。

今度は、とある海辺の町が舞台。

かつては、観光と漁業で潤ったような町。何だか見覚えがあります。
縁あってこの町にやってきた彦一が、またもや
介護ヘルパーをすることに。

高齢者相手に闇金ビジネスをする
やくざたちの1人になっていく一方で、

老朽化し、営業もしていない観光ホテルを改造して、老人介護施設に変え
「観光福祉都市」の実現を公約にする、市議会議員で
弁護士の八代(香川照之、ここにも)もいます。

とにかく箱物から、という発想。
その熱い思いはわかるんだけれども、

果たして、その実態は…。

「認知症の人と家族の会」の協力を受けただけあり、
多少のデフォルメはあるにしても、

実態が、ここにはあると思いました。

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2012年10月19日 (金)

『桃(タオ)さんのしあわせ』で思う、しあわせな介護

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★★★★

最後のときを、
手をつないで過ごせれば
それはしあわせ

この映画は
本作のプロデューサーでもあり、
『レッドクリフ』シリーズの財務面の管理を担当していたという
映画プロデューサー、ロジャー・リーの実体験が
ベースになっています。

桃(タオ)さん、とは、
13歳のときから60年間、4代にわたって、
ロジャーの家に勤めてきた家政婦さん。

しかし、確実に、実母よりもだれよりも、ロジャーにとっての
隣る人”だったのは間違いありませんでした。

桃さんを演じたディニー・イップは、10年ぶりの映画出演にして
昨年のヴェネチア国際映画祭で主演女優賞を受賞、

ロジャー役は、この映画の企画に賛同したアンディ・ラウが
なんとノーギャラで引き受け、
プロデュースも買って出ています。
友情出演で
『インファナル・アフェア』のアンソニー・ウォンや
ツイ・ハーク監督、キンポーのとれたサモ・ハンもいて、
まさにアジアの大スター、ここにありですよ。
中国ではアクション以外の映画としては異例の大ヒットになったそうです。

だって、この映画、
本当にささやかで、静かで、穏やかで、そして
なんて、あったかい。

老いをめぐるテーマは、いまや万国共通だろうかと思いますが
この心の満たされ方は、そうそうない体験でした。

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2012年9月 5日 (水)

『「わたし」の人生(みち)我が命のタンゴ』手と手をとって

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「わたし」の人生(みち)我が命のタンゴ

★★★

認知症。自分だけ、家族だけが
抱え込まなくていい

精神科医・和田秀樹氏が原案・監督。

認知症を抱えた大学教授の父(橋爪功)と、
その跡を継ぐかのように育った娘(秋吉久美子)が、

アルゼンチンタンゴを通じて、家族の絆をもう一度、確かめ合う物語です。

なぜ、アルゼンチンタンゴか?といいますと

昨今、音楽療法は認知症ケアなどに取り入れられてきていますが、

アルゼンチンタンゴによるタンゴセラピーというものは、

当事者同士も
介護される側と介護する側も
介護者と医療者も

それぞれがペアになって、手と手をとり合って

呼吸をあわせて行います。

そのあたりが、とても象徴的であり

人と人、ということをまた思い起こさせてくれるキーになっているのでした。

 

また、この映画では、認知症の中でもとりわけレアな
「前頭側頭型認知症」が取りあげられていますし、

もう1つの重要なテーマ「介護離職」についても、
初めてふれられた映画かと思います。

うーむ、うーむと、介護をする家族の現実にうなりながらも、
それでも、ラストはすばらしい瞬間が待っていました。

そのシーンのために、観て!と言いたいくらいです。

 

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2012年9月 1日 (土)

おたがいの存在が【痛み】をいやす『最強のふたり』

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最強のふたり

★★★★★

住む世界が違っても、
最強になれるふたり

フランス国民の3人に1人が見た、という大ヒット。

ヨーロッパ各国でも絶賛、各賞受賞の嵐。

昨年、上映された東京国際映画祭では、グランプリと主演男優賞(写真の2人とも)
をW受賞。

ハリウッドリメイクも早々に決定。

ということで、

めちゃくちゃ楽しみにして、拝見しました。

冒頭の、はちゃめちゃで、衝撃的な、楽しい、ノリノリのシーンが、

そういうことでつながっていくとは!

震災以降、

絆とか、つながりとか、さかんに言われております。

どうも何となく、うさんくさいキャッチフレーズだな、と思っております。

すみません。

でも、実話をもとにした、
ユーモアたっぷりのこの映画には、

それらが、しかとあります。

現時点とりあえず、今年ナンバー1であることは間違いないです。

 

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2012年7月21日 (土)

毎日が新鮮、毎日が発見、『毎日がアルツハイマー』

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毎日がアルツハイマー

★★★★

7月14日(土)より ポレポレ東中野、銀座シネパトス、横浜ニューテアトルにて
夏休みモーニング・ロードショー、以後、全国順次公開

28(土)からはヒューマントラストシネマ渋谷でも上映

失われていくことばかりではない
目の前のあるがままの、母の姿を娘が撮る

映像作家・関口祐加さんの母、ひろこさんがアルツハイマー型認知症と診断されて2年。

その毎日の様子を撮影した動画は、YouTubeにアップされ、
のべ20万回ビュー(!)という再生回数になっているそうです。

その100時間以上におよぶ記録映像を
“喜・怒・哀・楽”の切り口で、新たに長編動画として編集しなおしたのが本作。

現在は、都内ほか一部地域でしか見られませんが、
これから全国各地で、関口監督の講演もあったりしながら上映されていくそうです。

まるで別人のように、開けっぴろげで明るくなった
アルツハイマーの、実母を撮る。

Twitterで、関口監督とこの動画の劇場公開を知ってから
楽しみでたまりませんでした。

私は、いわば昨年の『エンディングノート』のように
ジワジワ、ジワジワとクチコミされ、長いスパンをかけて、
日本じゅうに広がっていく1つのムーブメントになると確信しています。

だって、この作品もまた、
悩み、行き詰まる多くの方たちから、求められていたもののように思えますもん。

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2012年4月21日 (土)

『わが母の記』にて、わが身を知る。

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わが母の記

★★★★

4月28日(土)より全国ロードショー

2012春・縁(えん)をつなぐシリーズ第1弾

これから5月中旬ごろまでの間に、全5本ご紹介していきたいと思います。
まずは、もっともやっかいで濃い縁(えん)である、血縁=家族のお話から。

恍惚の人となった母の
海のような深い愛を知るとき

井上靖の自伝的小説「わが母の記〜花の下・月の光・雪の面〜」を映画化。

第35回モントリオール世界映画祭で審査員特別グランプリを受賞し、
その後も世界各国の映画祭に出品され、
公開前から海外で高い評価を受けている作品です。

ゴールデンウィーク必見の家族映画として、絶賛公開中です。

井上靖の分身、主人公の洪作を演じるのは、役所広司さん、
その母・八重に樹木希林さん、
洪作の三女・琴子には宮﨑あおいさん。

豪華キャスト共演ですが、なかでも圧巻なのは、何といっても樹木希林さんでしょう。

先日、日本外国特派員協会の記者会見での、アカデミー賞外国語映画賞についてのしゃれたコメントも話題になっていましたが

相変わらずうまい。
ご自身でも「認知症の方の役を演じられるのは自分しかいない」、
ぐらいの勢いでお話されているのもよくわかります。

ところで、この映画、
どこか、こそばゆくなるような感じがするのは、なぜなのでしょうか。

冒頭の、洪作と2人の妹(キムラ緑子、南果歩)の会話からしても、
早口なおしゃべりがさわがしく、そしておもしろく

昔、実家に何かと集まっていた大叔母たちの様子を思い出します。

はじまりからして、すでに懐かしいのです。

3世代の大家族、親と子のわだかまり、進む親の認知症。

わさび田や里山の風景もあいまって、
自分にとっての原風景に、あっという間に誘われることになりました。

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